北の麻薬密輸・資金洗浄 “マカオコネクション”にメス 香港系銀行を捜査
【ワシントン=樫山幸夫】麻薬密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)など北朝鮮の“国家犯罪”の
摘発を進めている米政府が、違法行為の拠点になっているマカオの銀行に対する本格的な捜査に
乗り出した。従来指摘されてきた北朝鮮の“マカオコネクション”の実態にメスが入ろうとしている。
この銀行はマカオにある香港系の「バンコ・デルタ・アジアSARL」。
米財務省が先週「マネーロンダリング関係企業」に指定した。
財務省によると、同行は、二十年以上、北朝鮮政府と取引関係を保っており、これまで、
(1)偽造紙幣の受け入れ、流通
(2)希少金属の売却
(3)紙幣偽造、たばこ偽造、麻薬密輸などに関与している北朝鮮企業からの資金受け入れ
-に深く関与し、北朝鮮による違法行為に協力してきた。資金は北朝鮮の
核開発に利用されている疑いが強い。
バンコ・デルタの経営者は、香港金融界の実力者で、マカオ立法会議員も務めている人物だ。
財務省の金融犯罪取り締まり班は、米銀行と同銀行の取引を禁止し、同銀行の
実態について、世界各国に周知するなどの制裁措置を同銀行に科すことを検討している。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米政府はマカオにある
別の銀行についても同様の容疑で調査している。この銀行の経営者は巨額の財をなした
カジノ経営者で、北朝鮮と中国に太いパイプを持っているという。
同紙によると、財務省、連邦捜査局(FBI)などは数週間前から捜査を開始し、逮捕、
起訴したケースもある。マカオ当局も強く懸念し、特別チームを発足させて捜査に当たっている。
マカオと北朝鮮との間には以前から航空機の直行便があり、入国管理が緩やかだった
マカオは長年にわたり北朝鮮による違法行為の拠点となってきた。その実態はしかし、
闇に包まれてきた。
一九九七年に隣接する香港が中国に返還された後、北朝鮮は中国による
“お目こぼし”を期待してか、違法行為の拠点を一時、香港に移転。
マカオは、九九年にポルトガルから中国に返還され中国の特別行政区になった後、
再び北朝鮮の違法行為の基地になっている。
http://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_4_1.htm
【ワシントン=樫山幸夫】麻薬密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)など北朝鮮の“国家犯罪”の
摘発を進めている米政府が、違法行為の拠点になっているマカオの銀行に対する本格的な捜査に
乗り出した。従来指摘されてきた北朝鮮の“マカオコネクション”の実態にメスが入ろうとしている。
この銀行はマカオにある香港系の「バンコ・デルタ・アジアSARL」。
米財務省が先週「マネーロンダリング関係企業」に指定した。
財務省によると、同行は、二十年以上、北朝鮮政府と取引関係を保っており、これまで、
(1)偽造紙幣の受け入れ、流通
(2)希少金属の売却
(3)紙幣偽造、たばこ偽造、麻薬密輸などに関与している北朝鮮企業からの資金受け入れ
-に深く関与し、北朝鮮による違法行為に協力してきた。資金は北朝鮮の
核開発に利用されている疑いが強い。
バンコ・デルタの経営者は、香港金融界の実力者で、マカオ立法会議員も務めている人物だ。
財務省の金融犯罪取り締まり班は、米銀行と同銀行の取引を禁止し、同銀行の
実態について、世界各国に周知するなどの制裁措置を同銀行に科すことを検討している。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米政府はマカオにある
別の銀行についても同様の容疑で調査している。この銀行の経営者は巨額の財をなした
カジノ経営者で、北朝鮮と中国に太いパイプを持っているという。
同紙によると、財務省、連邦捜査局(FBI)などは数週間前から捜査を開始し、逮捕、
起訴したケースもある。マカオ当局も強く懸念し、特別チームを発足させて捜査に当たっている。
マカオと北朝鮮との間には以前から航空機の直行便があり、入国管理が緩やかだった
マカオは長年にわたり北朝鮮による違法行為の拠点となってきた。その実態はしかし、
闇に包まれてきた。
一九九七年に隣接する香港が中国に返還された後、北朝鮮は中国による
“お目こぼし”を期待してか、違法行為の拠点を一時、香港に移転。
マカオは、九九年にポルトガルから中国に返還され中国の特別行政区になった後、
再び北朝鮮の違法行為の基地になっている。
http://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_4_1.htm