受験生のための『世界史B』

2020/4/23 もくじのリンク切れを訂正しました。

受験生のための『世界史B』―古代インド[(1)インド古典文明]

2011-07-08 19:58:59 | 受験生のための『世界史B』(未分類)
 「受験生のための『世界史B』」 もくじ
 ↑ここから各項目に入れます。

 ――インド。

 そこに旅する者は、古来より、人生観を根底から覆されると言われます。

 ガンジス川の流れは清く、その砂の数はとりもなおさず無限……。



 なんてことはどうでもよくて、期末テストを目前に控えたみなさんは「世界史B」というめんどくさい暗記教科に苦しめられていることと思います。
 
 でもね、
 
 覚えるしかないんだよ!(どや

 今日からインドに入るわけですが、みなさんはまたしてもカタカナ地獄に舌を巻くことと思います。
 でも、インドのカタカナはヨーロッパのそれとは微妙に違う。
 
 ラーマーヤナ、マハーバーラタ、ガウタマ=シッダールタなど。

 なんていうか、リズム感がつかみやすくないですか(笑)
 5回くらい言ったら覚えれそうですよね。

 それもそのはず、これらの言葉は、世界で一番美しい言葉「サンスクリット語」なのです。
  

 [インダス文明]

 インダス文明は、四大文明のひとつですね。
 
 これは別に覚える必要ないんですが、メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・黄河文明が四大文明です。
 前の2つはすでにやりました。

 文明というのは、往々にして川(水源)の近くに成立します。
 メソポタミア文明の場合はティグリス川とユーフラテス川、エジプト文明の場合はナイル川、そしてインダス文明の場合はインダス川です。

 インダス文明ではインダス文字(未解読)が用いられ、住宅や用水路などが整然と整備されていました。
 文明の建設者はドラヴィダ系の先住民族なのではないかとみられています。
 インダス文明のおもしろいところは、ほかの文明とはちがって、エジプトにおけるピラミッドのような、宮殿や神殿の類がないということです。
 つまり、強力な権力をもつ支配者がいなかった、ということです。
 どのような方法で町を治めていたのか、気になりますね。

 そのインダス文明の代表的な遺跡はふたつ。
 
 インダス川中流ハラッパー
 インダス川下流モエンジョ=ダーロです。
 
 この遺跡の位置関係はよく出るのでしっかり覚えておてください。
 ハラッパーが上、モエンジョ=ダーロが下です。
 
 両方とも世界遺産に登録されていますが、荒廃が激しく、その存続が大きな課題となっています。
 だって、ハラッパーの中をバイクが走ってるような状態ですからね。

 [アーリヤ人の侵入]

 オリエントやヨーロッパの方面から、インドに到達する道筋は、ひとつしかありません。
 
 カイバル峠を越す道です。
  

 古来、ペルシアのダレイオス1世やあのアレクサンドロス大王もこの峠を越してインドに侵入しています。
 
 さて、そんなカイバル峠を越え、ドラヴィダ系の文明に、とある民族が侵入してきます。
 
 その名もアーリヤ人
 
 自称、「高貴な人」である彼らはインダス川中流のパンジャーブ地方に住みつき、原住民を制服、インドの社会構造を変革させてしまいます。

 まあ、黒船がやってきたと考えればいいんじゃないかな。
 
 その変革の最たるものがヴァルナです。
 ジャーティカーストとも呼ばれます。
 
 これは厳格な身分制度のことで、インドの人々は

 バラモン
 クシャトリヤ
 ヴァイシャ
 シュードラ
 不可触民(アウトカースト、ダリト=ハルジャン)
 
 の順に分けられました。
 
 覚えるの大変ですが、がんばりましょう。
 
 それぞれの身分の特徴は、以下のようです。
 
 バラモンは、司祭。
 アーリヤ人独特の宗教(あとで説明します)の儀式を司りました。聖職者ですね。
 
 クシャトリヤは、貴族です。
 武士と言ってもいいかもしれません。政治や軍隊を担当しました。
 
 ヴァイシャは、普通の人。
 農耕・牧畜・商業などを担当しました。中間層になるのかな。
 
 シュードラは、奴隷。
 上に挙げた3つの身分に奉仕します。
 
 不可触民は……。
 人間として見られていません。
 
 実は、このヴァルナという制度、現代のインドにも根強く残っています。
 人づてに聞いた話なので真偽の程はわかりませんが、

 とある日本人がインドへ旅行した際、現地の人の車に乗せてもらう機会があったそうです。
 彼は助手席に座っていたわけですが、談笑しつつ車を走らせている最中、目の前に人の姿が。

 「危ない!」

 しかし、運転手はブレーキをかけることもなくその人をひきました。

 「何やってるんだ!」

 あわてて車を停めさせようとしますが、運転手は何事もなかったかのような顔をしています。
 よく見るとそのひかれた人は、ずいぶんとみすぼらしい身なりをしていました。
 
 不可触民だったのです。
 
 インドでは、不可触民なら車でひいてもかまわないのです。

 これは恐らく何十年も前の話。
 でも、ひどい話ですよね。。。


 この4つの身分は極めて基本的なもので、実際にはおよそ3000の身分・職業で細かく分かれていたということを付け加えておきます。
 

 [バラモン教] 
 
 さて、バラモンが司っていた宗教とは、どんなものだったのでしょう。
 
 アーリヤ人は、自然を信仰していました
 日本人と共通するものがありますね。
 樹木を崇めたり、海や川に神様を感じたり。
 
 そんなアーリヤ人の神々への賛歌や儀礼をまとめたものヴェーダです。
 ヴェーダはひとつではなく、その総称です。
 中でも、最古のヴェーダがリグ=ヴェーダ

 そのヴェーダが基本となって形作られたのがバラモン教です。
 
 バラモン教の司祭(=バラモン)は、自らの権威を高めるために、ひたすら宗教の儀式を複雑化させました。
 自分以外に儀式を執り行えるものがいなければ、自分は偉くなれますからね。
 
 そんな祭式万能主義に陥ってしまったバラモン教への反省から生まれたのがウパニシャッド哲学です。

 ブラフマン、アートマン、カルマといった独特な考えをもちますが、
 
 とりあえずは輪廻転生、生物は過去の行い(業=カルマ)から影響を受けて次々と生まれ変わるという考え方だけ覚えておきましょう。

 この輪廻の思想は、のちの仏教にも取り入れられています。

 
 いきなり覚えることばっかで大変だったかなー。

 でもこれでバラモン教は終わり、次は別の宗教のハナシです。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (amui)
2011-07-21 21:01:34
こんばんわー
またコメントするまでにちょっと間が空いてしまいました

今夏休み中な私ですが、2学期からは世界史の模試が始まります!
と、いうわけでまたちょくちょく訪問させてもらうことになりそうです笑
友達にも機会があるごとにこのサイトのことを広めてるので、模試の順位が皆して上がるかもです笑
それでは、失礼します
返信する
amuiさんへ。 (セプテンバー)
2011-07-23 18:01:25
 こんにちは!
 
 おっと、もう夏休みですか。
 代わりにおれのテスト受けてください←
 いや、受けなくていいんで家事してください←
 
 ~こうして日本における世界史B受験生の模試の点数は上がっていくのであった~

 またきてくださいね!
返信する
Unknown (kinokann)
2011-09-13 22:06:25

こんばんはー

もうすぐ定期試験なんですけど、次の範囲はインドなんです。




なので申し訳ないのですがインドの更新を早めることはできないでしょうか?



セプテンバーさんが迷惑じゃなければでいいのでおねがいします!!


いっつもこのサイトを頼りに世界史は勉強してたので危機感を感じております。笑


自分で勉強しろよって話なんですけどね



どうもこのサイトを見て勉強しないとテストのときしっくり来ないんですよ。


なんでよろしくお願いします!!!
返信する
kinokannさんへ。 (セプテンバー)
2011-09-16 01:58:53
 ごめんなさい、すぐします。笑
返信する
Unknown (kinokann)
2011-09-17 16:54:32


すみません


ありがとうございます!


お願いします(*^^*)
返信する
kinokann (セプテンバー)
2011-09-18 16:47:04
 ちょっと更新したぜ!
 
 ネタに使ったけど気にしないでね(笑)
返信する

コメントを投稿