
前回は、西ヨーロッパ世界で教皇(宗教界)の力が拡大していったことについて書きました。
では、続きから始めていきましょう!
① 聖地イェルサレム
アニメやドラマのロケ地となった場所のことを、「聖地」とよぶことがあります。
僕も先日長野県に行った際、映画『君の名は。』のモデルとなった諏訪湖に行ってきました。諏訪湖を見下ろせる公園に行こうとしたところ、妻に「遠い。」と言われ却下されましたが……。
僕も先日長野県に行った際、映画『君の名は。』のモデルとなった諏訪湖に行ってきました。諏訪湖を見下ろせる公園に行こうとしたところ、妻に「遠い。」と言われ却下されましたが……。
そもそも聖地というのは、ある宗教にとって重要な土地のことで、聖地の巡礼は中世ヨーロッパで始まったものです。
たとえば、キリスト教には五本山とよばれる5つの聖地がありました。
それがローマ、コンスタンティノープル、アンティオキア、アレクサンドリア、そしてイェルサレムです。
不幸なことに、イェルサレムは他の宗教の聖地とかぶっていました。
もっと不幸なことに、かぶっていた相手は1人ではなく2人でした。
そしてもっと不幸なことに、そのかぶっていた相手の中にイスラーム教がありました。
(つまり、イェルサレムは、キリスト教・ユダヤ教・イスラーム教にとって聖地とみなされています)
しかし最も不幸だったのは、当時のイェルサレムがイスラーム教の勢力に支配されていたことです。
② 聖地を取り戻せ! 〜十字軍のはじまり〜
当時、イェルサレムを支配していたのはイスラーム勢力のセルジューク朝。
彼らは小アジア(現在のトルコ)に進出し、ビザンツ帝国の首都であるコンスタンティノープルを脅かしていました。

これは宗教の対立なので、ビザンツ皇帝はローマ教皇に相談しました。
当時のローマ教皇はウルバヌス2世。かっこいい名前。
1095年のクレルモン教会会議にて、彼は鼻息荒く、軍隊を送り込んでイェルサレムを取り戻そう! と呼びかけます。これが十字軍です。
英語ではクルセイダー(crusader)、十字架をつけた者という意味だそうです。

↑ 十字軍のイメージ。
覚え方は、「十字軍! おこしてクレルモン!」です。
③ 迷走する十字軍
初めての十字軍は、聖地を奪回するという目的をきちんと果たし、イェルサレム王国を建てました。
しかし、イスラーム勢力の反撃に対抗しようとした第2回十字軍は失敗し、その後、イェルサレムはイスラーム勢力のアイユーブ朝に奪い返されてしまいます。このときのカリフがサラーフ・アッディーン(サラディン)です。
第3回十字軍がクライマックスでした。ドイツ王・フランス王・イギリス王が参加し、遠路はるばるイェルサレムまで向かいました。
ドイツのフリードリヒ1世は立派な赤いひげをたくわえた人で、バルバロッサというカッコいい名前をもっていました。しかし、イェルサレムに向かう途中、王はまさかの川で溺死。ドイツ軍のテンションはダダ下がり。フランスのフィリップ王も「病気なので……。」と言って早退します。
残されたイギリス王リチャード1世だけは最後まで奮闘。獅子心王(ライオンハート)と呼ばれるだけあります。
前回も登場したインノケンティウス3世がおこした第4回十字軍は、資金を提供したヴェネツィア商人にせまられ、彼らのライバルであったコンスタンティノープルを占領してしまいます。このとき建てられたのがラテン帝国ですが、もはやキリスト教関係ないじゃん。
一方で、「みんなで聖地へ行こう!」という宗教的な情熱は確実に盛り上がりを見せていたようです。
たとえば、聖地に行く人々を守る目的で、各地で「宗教騎士団」がつくられました。その一つが、テンプル騎士団です。蛇足ですが、彼らはのちに、フランス王の策略に巻き込まれて全員が虐殺されてしまいます。彼らが捕らえられた日が1307年の10月13日(金)だったために、「13日の金曜日」は不吉だという伝説が生まれたとされています。
また、子どもたちなど庶民でつくられた十字軍が奴隷商人に捕まり、奴隷として売り飛ばされたという話もあります(少年十字軍)。

④ 国王と教皇の逆転
この後7回まで続いた十字軍は、結局失敗に終わってしまいます。
しかし、最前線で十字軍を率いた国王たちの発言力は増し、言い出しっぺだった教皇の権威は衰えました。
また、地中海をへだてて十字軍がアジアまで行き来したことでイタリアの町は繁栄し、アジアとの貿易もさかんになりました。イスラーム世界の最先端を行っていたビザンツ国からやってきた書物もヨーロッパの人々にとって大きな刺激だったようです。
転んでもタダでは起きない……ということでよいのでしょうか?
今日はここまでです!
また更新していただけて嬉しいです。(中世ヨーロッパがとても苦手なので尚更)
また更新待ってます
実は管理人はヨーロッパの土地には一度も行ったことがないのに……こんな偉そうな記事を書いていていいものかと思い巡らせております。
しかし、あのカントも生まれてから死ぬまで一度も自分の町を出たことがなかったそうなので、まあそれでもいいのかなあなんて思っています。
今後ともよろしくお願いします。
突然ふと"シュメールアッカドバビロニア"という言葉が頭に浮かんで、あの暗記方法分かりやすかったなぁー!あれ?!ブログどうされているかな…?お元気かな…?!と思い立ち、調べて辿り着きました。
以前、なんて名前でコメントを書き込んでいたかも忘れちゃったけど、確か10年くらい前、高校3年生の時に読んで参考にさせていただいたものです。(おあおあとか、言っていたようないないような…)
ご結婚されているようで、なんだか感動です。
おめでとうございます!
当時は筆者さんが大学生だったと思うので、
時が経ったなぁーなんて!!(まさに自分もですが)
色々忙しい中での更新は大変だと思いますが
これからも応援してます。
今では結婚して子どもも2人おります。笑
昔学んだことが突然頭に浮かぶことって、ありますよね。特に中高生のころに勉強したことはなかなか忘れません。
拙いブログですが、何かしらお役に立てたのであればこれ以上の喜びはありません。
ご活躍をお祈りしております!