りょうさんの思う壺・・!

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映画「おとうと」

2010年02月09日 | 思うところ
映画を観るなら何と言っても水戸駅南のシネプレックス水戸です!
休日でも満席にならず、たとえ名作であってもほぼ希望の席に座れ直前に飛び込んでもゆっくり鑑賞することができます。
これは心配なことなのですがきょうはこのお話ではありません・・・

さて、先日この映画館で久しぶりに映画のハシゴをしました。
その一つが山田洋二監督作品の「おとうと」です。
この映画は、前宣伝を聞いても特に見たいと思って行った訳ではありませんでした。
吉永小百合と笑福亭鶴瓶の姉弟の取り合わせが余りにも奇妙で、そこに興味があったのが鑑賞のきっかけでした。

物語は、東京の郊外で夫を亡くし小さな薬局を営みながら一人娘を育ててきた姉と大阪で何ひとつ成し遂げないまま歳を重ねてしまった弟が、小春の結婚式に現れるところから奇想天外な展開をみせます。

誠実に生きてきた姉、吉永小百合が演じる吟子さんの何と素晴らしいことか!
大阪で問題ばかりを起こしてきた弟、笑福亭鶴瓶の鉄郎の心の中と、その駆け込み寺のような姉の心を映しながら、再会と別れの描写が映画としての質の高さを示しています。
ドラマの展開の前に自然に涙があふれる場面も多くあります。

どこの家族や親戚にも一族の中には一人くらい変な身内が居るものです。
我が家の場合は私ですが、こんな話をすると大抵の人が身内の誰かを思い浮かべ「そうそう・・」という人も多く、否定する人にあまり出会ったことがありません。

私が過去に担当した披露宴の席でも、一人の問題親族(うるさいおじさんが多いのですが・・)の為に大変な事態に至ったことが結構あります。
酔っ払って新婦の友人の振り袖を引きちぎった、新郎のおじさん。
再婚だった新婦をののしって離婚に追い込んだ新郎のおじさん・・・
本家の自分に相談が無かったと暴れたおじさん・・etc
みんなお酒とおじさんが作ったドラマでした。

じゃあ、おばさんは大人しいかと言うとそうでもありません。
これは水面下でジメジメと動き始めるのである意味では慢性疾患のように厄介なものです。
とにかく色々あるのは当然でしょうが、そこは一族のよさでしょうか・・・
どんな問題のおじさんでも、家族の中でまた一族の手で上手に生かされてきたようです。

映画の中の「おとうと」笑福亭鶴瓶の鉄郎さんは、以前も姉の吉永小百合の吟子さんの夫の十三回忌で酔っ払い大暴れしました。
突然現れた姪の小春ちゃんの結婚式では一滴も飲まないと約束するのですがが、目の前の酒をこっそり飲んだことから酔っぱらって大騒ぎ、披露宴を台無しにしてしまいます。
身内は激怒するのですが、鉄郎をかばうのは姉の吟子さんだけ!
その吟子さんもある出来事がきっかけで、鉄郎に絶縁を言い渡してしまうのですが・・・

兄弟姉妹って何だろう・・・家族って・・絆って・・判りきったことなのに何か不思議な思いを感じた名作でした。
この映画を支えたのは何と言っても、吟子さんでも鉄郎さんでもなく何と言っても蒼井優さんが演じる娘の小春ちゃんです。
大阪の将棋の勝負師「坂田三吉」の恋女房の名前が「小春」でした。
ここから取った小春という名前の娘の名付け親が「おとうと」でした。
吟子さんと鉄郎さんを最後まで結んだのは、小春ちゃんの存在だったのですね・・・涙!

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