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2001年・バズ・ラーマン監督作品。主演:ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー。
本日NHK BS-2 衛星映画劇場で午後7:50~9:59に放映されます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
衛星映画劇場、明日明後日は『恋する遺伝子』と『ニューヨークの恋人』をよろしく!
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19世紀末、ベル・エポック時代のパリを舞台に、ナイトクラブのダンサー(実態は高級娼婦)と貧乏作家の悲恋を描いたミュージカル。
と言っても、描かれるのはあくまでもフィクションのベル・エポック、フィクションのパリです。
よく『椿姫』が引き合いに出されますが、おそろしくベタな設定は新派悲劇のようであり、方法論はむしろ歌舞伎に近いと思います。
花の吉原で「お職」の太夫(つまりトップ花魁)を巡る恋の鞘当て、しかし彼女は不死の病に──などという、おそらくは意識的に選択された陳腐なストーリイを、「なんだか判らないけど綺麗」な豪華絢爛たる映像で綴り、人工美の極致のような世界を作り上げ、しかしその中から、人間の普遍的な心情が立ち上って来る……まさに歌舞伎です。
今でこそ傑作と言われるこの映画も、公開当時は一般のミュージカルファンにひどく不評だったと記憶しています。理由はとにかくあの目まぐるしい映像のせいで、カメラを据えてきっちり「芸」を見せてくれなくては「ミュージカル」ではない、という考え方によるものです。
そんな、フレッド・アステアの時代じゃないんだし、彼ほどの超絶技巧の持ち主も滅多にいる訳じゃなし……
ミュージカルというもの自体、今ではもう少し幅広く捉えられていると思いますが、楽曲の使い方も含めて、「ミュージカル映画」の新たな可能性を示したエポック・メイキングな作品であるというのが、この作品に対する現在の位置づけでしょうか。
既成の曲の使い方としては、やはり「ロクサーヌ」のシーンが白眉だと思いますし、「サウンド・オブ・ミュージック」も「ライク・ア・バージン」も(笑)好きですが、あの時代でこのタイトルの映画なら当然出て来るだろうと予想される「天国と地獄」(オッフェンバック)をああ使うか、と感心はしないまでも、クスッと笑ってしまう効果はありました。
カテゴリーをここにしたので触れておきますが、物語が本筋にはいる前に退場してしまうデイヴィッド・ウェナムのオードリイ嬢(?)、当初はもう少し出番のある役だったそうです。だからエンド・クレジットでも「特別出演」みたいな扱いなんでしょうか。
でも、数ある登場人物の中で、自らあの役を選んだというデイジー、さすがと言うか何と言うか……
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それにしても、公爵(これではリチャード・「ロクスボロウ」表記ですね)の日本語吹替えが山路さんというのも、今思うと謎です。