Loomings

映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

石丸幹二オーケストラコンサート2024

2024-06-30 14:18:06 | 音楽
今月21日(金)池袋の東京芸術劇場で開催された石丸幹二さんのオーケストラコンサートのレポ。遅くなりましたが、簡単に記しておきます。

「石丸幹二 オーケストラコンサート 2024」【2024年5〜6月】 | 石丸幹二オフィシャルサイト

上記公式サイトに記載ある通り、今年5月から福岡を皮切りに名古屋→兵庫→札幌と5都市を回って公演を続け、6/21の東京でファイナルを迎えました。毎公演、ミュージカル界から豪華ゲスト出演もあり、石丸さんファンはもちろんミュージカルファンの間でも大いに盛り上がりました。



見た目は少しゴチャッとしていますが、公演概要は上のチラシからも見られます。

自分と娘も池袋にお泊まり態勢で参加して来ました。17時半開場、18時半開演ということで早めに晩ごはんを食べていざ芸術劇場へ。





ロビーの入場口前に様々な人や媒体からお花も届いていました。







榊原郁恵さんは先日まで『ハリー・ポッターと呪いの子』で共演されていました(郁恵さんはマクゴナガル先生)。
しかしひときわ目につく池井戸潤さんからのお花 さすが同担最大手(?)です。

セットリストは以下の通り。終演後ロビーに掲示され、当然ながらその前には人だかりができて、撮るのに苦労しました。というわけで、今いち見にくいです。



オープニングは、この公演直前に再演発表があった『ラブ・ネバー・ダイ』から「君の歌をもう一度」。しかし、この開演前に、娘とLNDの悪口で盛り上がってしまったため、開巻がこの曲で少し気まずかったです 曲そのものは名曲で、石丸さんの歌唱も素晴らしかったのですが。

2局目の「Let It Go」はもちろん『アナと雪の女王』から。石丸さんは実は日本で初めてオーケストラ演奏でこの曲を歌った人だということですが、自分と娘はそれを聴いています!(自慢?)ソロコンではなく、アナ雪公開記念ディズニーコンサートの一部で、確か初台のオペラシティで行われた、読売新聞購読者対象の無料コンサートでした。今年はアナ雪公開10周年でもあり、つまりあのコンサートからも10年経っているということに……うわぁ!
「いつか」はアニメ映画『ノートルダムの鐘』のエンディング曲。こちらも名曲です。

と、ここで、ゲストの皆さん——石川禅さん、今井清隆さん、坂元健児さんが登場!この人たちが石丸さんのオケコンに出てくださるのもこれで3回目です。
そしてこのお三方プラス石丸さんが揃えば、歌うはやはり『パレード』より「ふるさとの赤い丘」。初めてコンサートでこれを聴いた時には、作品の衝撃が甦って、本当に動悸がするわ涙は出るわリアルでお腹まで痛くなってきたほどです。2回目の時もやはり苦しくて堪らず、その2回とも周囲の客席からもすすり泣きが聞こえるし……そういう作品であり曲でもあります。
しかし3回目ともなればいい加減慣れてきた、と思ったところで、1幕最後の裁判シーン再現という更なる地獄が待っていようとは!それでもジム・コンリー(サカケンさん)の煽動ソングは少しは覚悟していたのに、いきなりの今井ワトソンの「正義の鉄槌」にダメージを食らいました。更に石丸レオの(検察側証人の偽証と妄想の産物ですが)「僕のオフィス来ないか」をこんな形で聴くことになろうとは……そしてコンリーの「違う!違う!」はノリが最高な分やはり憎々しいし、情緒がかき乱され、どういう感情でいればいいかわかりませんでした。
皆さんの歌唱力に圧倒され、トーク部分で出た実際の舞台で効果的に用いられた「紙吹雪」の話にもダメージを受け、『パレード』という作品が残した傷痕は本当に深く甚大です。

ぐったりしたところで、円光寺雅彦先生指揮による東京フィルハーモニーのオーケストラ演奏のみによるメドレーでクールダウン。いつもなら劇団四季時代の曲が流れることが多いのですが、今回は石丸さんの舞台人生の「第2章」、つまり四季を退団した後の曲ばかりで、その「第2章」からファンになった自分や娘にとっても嬉しかったです。
『モンテ・クリスト伯』も良い曲はいろいろありますが、やはり脚本に難ありなのが惜しいところ。『蜘蛛女のキス』は再演してほしいですね。『シークレット・ガーデン』の「Wick」は持ち歌ではないけれど入れたかったと、後のトークでおっしゃっていました。
『スカーレット・ピンパーネル』の「炎のなかへ」はご本人も割と愛着ある曲のようですが、そこでもゲストの皆さんを呼んでくださっても良いんですよ?と思いました。思い出すのはCDに収録された、今回とは別のゲストの皆さんによるこの曲です。
そして第1部最後を飾る「僕の願い」は、いつもながら素敵でした。この公演は照明の効果も素晴らしく、この曲で芸術劇場コンサートホールの名物パイプオルガンを照らし出す光は、ノートルダム寺院の威容をイメージしたかのようでした。

休憩中、いつもはあまりツイッターなどに書き込みはしないのですが、このたびばかりは語らずにいられませんでした。
興奮さめやらぬまま迎えた第2部は、エンニオ・モリコーネ メドレーから。ここもオーケストラとピアノのみ。「Lost Boys Calling」は『海の上のピアニスト』より。石丸さんは登場されたもののお歌いにならず、ステージ下手の椅子に腰掛けて、客席を隅々まで見渡す——という、不思議なような贅沢なような時間が流れていました。東京以外ではご本人登場もなかったそうです。

そこでゲストの皆さんが再登場。実はこのコンサートツアー、ゲストと共に或るミュージカルの曲をいろいろ歌い継いでゆくというコンセプトもあり、それが『サウンド・オブ・ミュージック』だったそうです。というわけで、東京で歌ったのは「私のお気に入り」と「エーデルワイス」でした。

しかし、このゲストの顔ぶれでそれだけで済むわけがない。『レ・ミゼラブル』から、過去2回は「民衆の歌」を歌っていましたが、今回はなんと「ワン・デイ・モア」!
今井さんのバルジャン、禅さんのマリウスとジャベール、サカケンさんのアンジョルラスは本役。他、コゼットがサカケンさん、エポニーヌが石丸さん、そしてこの二人でテナルディエ夫妻、という歌割りでした。
いや、これがまた素晴らしかった!いえスゴかったです。まさか目の前で今井バルジャンを聞けるとは!禅さんが今でも十分「マリウス」であることも、ジャベールとの演じ分けも見事でした。そしてアンジョルラスとは「声」だ、と思っている自分にとって、サカケンさんのアンジョは最高です。この「声」の力でパリの民衆だけでなく、アトランタの民衆も煽ったのね……なんてことも思ってしまいましたが。
他のかたもおっしゃっていましたが、何しろ4人なのに40人にも匹敵する声量と歌唱力!歌い終わった後、客席からの拍手鳴りやまず、まさにショーストップでした。

この公演当時は帝劇クロージング公演の『レ・ミゼラブル』情報がまだ解禁されずやきもきしていましたが、そんな時にこれを聴き、「ああ、今年のレミゼはもうこれでいい。これで十分だ」と思い、すっかり「成仏」と言うか浄化された気持ちになりました。そして情報解禁された今も、その思いに変わりはありません。煽るようなことを言うと、この「ワン・デイ・モア」をお聴きになれなかったレミゼファンのかたはお気の毒とさえ思います。自分にとっては10周年記念コンサート以来の感動でした。

その後、石丸さんが一人で歌われたのは、中島みゆきさんの「二隻の舟」。いつか石丸さんにこの曲を歌ってほしいと思っていたという娘は、念願叶い大いに感激していました。『エリザベート』の「夜のボート」は訣別の歌でしたが、この曲の歌詞にはどこかしら希望が残っているように思います。
続く「おまえの中に生きている」は『ライオンキング』から。石丸さんは劇団時代LKに出演されたことはありませんが(サカケンさんは初代シンバ)、この歌は以前のライブでもお歌いになったと記憶しています。やはりカッコいい曲です。
「You'll Never Walk Alone」は『回転木馬』から。そう言えば禅さんはこの作品が帝劇で上演された時、主演を務められましたね。もしかして、LKと言いそういうことも加味しての選曲だったのかも、とちょっと思いました。
いずれにしろ、これらの曲は「ひとりじゃない」と語りかける内容で、それも石丸さんからのメッセージであるかもしれません。

最後の曲は、コンサートでは必ず歌われる「マイ・ウェイ」。しかし、ラストがこれということはアンコールはもしや?と思った通り「時が来た」でした。石丸さんの『ジキル&ハイド』がもう観られないことは寂しく悲しいけれど、この曲はずっと歌い続けてほしいです。

その後はゲストの皆さんも円光寺先生も一緒にご挨拶。万雷の拍手とスタンディング・オベーションに応えるように、石丸さんも投げキッス大盤振る舞いでした。
本当に大満足のコンサートで、ホールを出る時に通りすがりの人が「安くない?」と話しているのが耳に入りましたが、大劇場での公演がS席18000円にまで跳ね上がっている昨今、これだけ充実した内容で12000円とは破格値とさえ言って良いと思います。
世知辛い話はさておき、夢のような素晴らしい一夜をありがとうございました!



そうそう、すっかりお馴染みとなったゲストの皆さん、石丸さんも含めてこのたび「オッサンズ」と命名されました
何でしたら、ここに石井一孝さんや川口竜也さん、畠中洋さんなど、石丸さんが信頼する方たちも加えて、ソロコンではなく「オッサンズコンサート」など企画されても良いですよ?なんて思います。同世代の皆と歌いたいと、以前からよくおっしゃっていますしね。

簡単にまとめるつもりがこんなに長くなってしまいましたが、今月中にアップできて良かったです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日のおでかけ | トップ | 日記です »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音楽」カテゴリの最新記事