私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

支部研修会と海外不動産事情Part-2

2007年02月13日 | 海外不動産事情
このところ宅建練馬区支部では次年度の事業計画策定のための予算委員会が連日開催されています。

今日は午前11時から支部運営にとってとても大事な財務委員会が開催されました。
財務委員会自体の事業計画や予算計画は守りの委員会だけに新しいことは何もありませんが、順次開かれている各委員会の事業計画と予算案が出揃ってから財務委員会は忙しくなります。
今日は嵐の前の静けさといった委員会です。

その後、午後1時からは平成18年度第2回目の支部研修会が開催されました。
業法で定められている法定研修会は年に4回。
その内各支部主催が年2回で、本部主催が年2回となります。

今日の研修会テーマ1は、昨年1月に私も参加した海外不動産事情視察の2回目が昨年12月に実施されましたのでその報告です。

前回に引き続き2回とも参加された豊島区支部 指導研修委員長 坂下満氏 と、本部事務局から視察に参加した福田明彦氏を招いて行われました。

正直なところ私が参加した第1回目の視察で見てきたことと大きく違った点もいくつかあり、1回だけ行ってこれが正しいと思うと錯覚してしまうような事もあります。

アメリカという国は本音と建て前がはっきりしているだけに、第1回目では建前の部分しか見えなかったのかもしれません。

絶えず戦って、絶えず混乱して、切磋琢磨して成長しているアメリカのパワーは、良し悪ししは別として見習う部分も多々あります。
特にMLS(Multiple Listing Service)の進化には驚かされたのですが、私が視察に行った昨年1月には噂にもなっていなかった携帯電話を使った検索及び登録システムが構築され、オフィスでしかできなかった物件検索が移動中・案内中でも携帯電話出来るようになっていました。
しかも物件データは日本のレインズとは比較にならないほどの情報量があります。


取引事例ひとつを取ってみても、日本のレインズは物件所在地・面積・取引成立の日と価格ぐらいしかデータとして読めないのですが、アメリカのMLSは所在地・面積・価格はもちろん、その物件の履歴(取引年月・購入時利用したローンの額・売却したときの価格etc)戸籍謄本のようにその物件の過去の事例が手に取るように判ります。

アメリカではその様に詳細なデータを入手することが出来るのに何で日本のレインズでは出来ないのか?
個人情報は日本よりもアメリカの方が厳しく管理されているはずなのに何故?

ここにはアメリカと日本の免許制度の違いがあるようです。
日本では不動産会社を営業する場合、5人に1人の取引主任者がいれば不動産会社として営業できます。
経営者に例え資格が無くても、資格の資格のある社員を1人雇えば、5人の会社が出来上がる事になるのですが、アメリカでは経営者を含む全員が有資格者でないと営業できない仕組みになっています。

前述のMLSのデータにアクセスできるのも資格を持った人のみですので、いつ誰がどの情報にアクセスしたかはログによって一目瞭然。
当然のことながら資格がなければ仕事が出来ないのでルール違反を犯すものは極端に少なくなります。
一方の日本では有資格者は5人に1人しか存在せず、8割の人は無資格者。
レインズのデータにも1社にひとつのID・パスワードしか割り振られていないので、誰がどの情報にアクセスしたのか判断が出来ません。
不法に情報を取得しても残念ながら追跡できないのが現在の仕組みです。
驚くことには、1社にひとつのID・パスワードでアクセスし、同時に同じID・パスワードで他人がアクセス可能。
警告も何も無しに繋がってしまうのが現状です。

情報漏洩が心配だからといって情報公開を控えるのではなく、不正取得が出来ないような仕組みをしっかり作って適正に情報を公開することがこれからの業界発展のためにも大事なことのような気がします。

日本の不動産業界もそろそろ大きく方向転換するべき時代が来たとあらためて感じた一日でした。
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