私の感じたこと

リロケーションを専業とするラビットホームズの岩崎和夫といいます。
私が日々感じたことなどを素直に本音で書き留めます。

レインズはどうなる?

2005年04月03日 | 不動産業界裏事情
まずは一般消費者の方も理解できるように、最初に「レインズ」の説明をさせていただきます。

レインズとは「Real Estate Information Network System」の略で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムの名称です。
指定流通機構の会員不動産会社がパソコンやFAXを利用して、機構内に設置してあるホストコンピューターから不動産情報を受け取ったり情報提供を行うシステムで、会員間(不動産会社同士)での情報交換がリアルタイムで行われ、不動産情報の流通には無くてはならない存在となっています。
逆に言うと、「レインズ無くして不動産の仕事は出来ない。」と言えるほど情報流通に大事なシステムです。

何故そんなに大事な存在になったかというと、レインズは「国土交通大臣指定流通機構」という位置付けにあり、宅建業法で定められた登録義務があるからなのです。
例えば不動産を売る場合、不動産会社に売却を頼みます。
この場合「媒介契約書」といって、売却に関する契約書を不動産会社と取り交すのですが、このうち、専属専任媒介契約・専任媒介契約については、宅地建物取引業法により、指定流通機構への登録が義務付けられています。
登録が義務付けられているので、レインズには大手・中小を問わず日本全国約13万社にも及ぶ不動産会社の物件情報が蓄積されています。
レインズには現在流通している不動産情報の殆どが蓄積されているといっても過言ではなく、我々不動産会社は物件の登録はもちろん、お客様から買い情報をいただいた時の物件収集にも大変な威力を発揮します。
また成約事例も蓄積されている為、価格査定の際の参考としても重大な役割を担っており、当社でも査定の際の根拠としてレインズ情報はとても有り難く使わせていただいております。

レインズは日本全国を網羅していますが、その構成は東日本レインズ・中部レインズ・近畿レインズ・西日本レインズの4つに分けて運営されています。
その内、ラビットホームズ株式会社が加盟しているのは「東日本レインズ」
東日本レインズの会員は平成16年3月現在で約65,000社を数え、この65,000社は下記記載の4団体の加盟不動産会社です。
○全国宅地建物取引業協会連合会東日本地区指定流通機構協議会(代表幹事:東京都宅建協会)
この全宅連はラビットホームズ株式会社の加盟団体です。(総会員数約11万社)
○不動産流通経営協会(通称:FRK、三井・住友・東急等大手の加盟する団体で総会員数約300社)
○全日本不動産協会関東流通センター(会員数約22,000社)
○日本住宅建設産業協会(ハウスメーカーやマンション分譲会社などで構成、会員数約540社)

ということでレインズは不動産業界に無くてはならない存在ということをご理解いただけたかと思います。

今回全宅連の3月理事会でシステム再構築の話しが持ち上がったとのことですが、レインズの歴史を振り返ってみると平成2年に産声をあげ、業法改正により平成9年に現在の形になったわけですが、既に8年の月日が流れています。
一般的には10年一昔と言われますが、コンピュータシステムの世界では「半年で一昔」と言われるほど進化のスピードが速く、レインズ自体も現在の最先端技術を導入してセキュリティーの確保と経費の削減をせまられたと言うことの証かもしれません。

2000年10月15日の日経新聞に、レインズを業者間だけでは無く「一般ユーザーにも公開する」といった記事が掲載され、業界をあげて大騒ぎになったことがありました。
内容は宅建業法を改正し、日本全国の不動産会社が保有するデータベース(レインズのこと)を一般消費者にもみられるようにし、物件を探す際に仲介業者を経由しなくていいようにして「買い手からの仲介手数料を免除する方向で調整」と、旧建設省が考えているという報道です。
もちろん業界団体は旧建設省に抗議!
旧建設省もそれは誤報であるとして日経新聞に訂正記事の掲載を指示したりで大混乱となりました。

かなり衝撃的な内容だっただけに、私のみならず業界関係者は事の成り行きをかなり気にしてきました。
結果レインズの一般公開はなされず、その代わりとして2003年10月8日に前段で記載しましたレインズをつかさどる4団体が運営する情報サイトからの物件情報を集約する「不動産ジャパン」をスタートさせた訳です。
不動産ジャパンも既に1年半が経過し、その存在価値の再検討がなされる時期かとは思いますが、レインズを構成する4団体の物件情報を集約したサイトですので、消費者の皆様が物件を探される際には是非とも「不動産ジャパン」のご利用をお勧めします。

ラビットホームズ株式会社 岩崎和夫でした。

  
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1 コメント

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不動産ジャパン (ejiri)
2005-04-05 11:43:04
一消費者から見ますと、不動産ジャパンの認知度は低いように感じます。

不動産ジャパンも抱負な物件をもっているはずなのですが・・・。

プロモーションが足りないのではないか、と個人的には思っています。

また、より魅力あるサービスを提供するため、業界全体での付加価値向上が必要なのかもしれませんね。
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