眉山

お盆である現在、徳島は阿波踊りの真っ最中…今日はその最終日。とにかく何の取り柄のないといっても等しい徳島が、一年で一番盛り上がるひとときでもあります。

「徳島には見るべき観光地がない。あってもラーメンくらい」…自分の中ではそう思っていた。先月、岡山の友人が徳島までわざわざ遊びに来てくれた際、どこへ連れて行っていいものか真剣に悩んだ。思い悩んで…時間も制約されていたこともあって、案内した場所が”眉山（びざん）”という徳島市内にある小さな山。さだまさし原作の小説『眉山』が松嶋奈々子や宮本信子出演のもとで映画化され、ここ数年は観光スポットになっている。いきものがかりの聖恵ちゃんも5月のライブの時に訪れていたようです（『きよえのとどろき』）。でも「こんなところでいいんだろうか…」って思いながら頂上へ。

展望台に着くと開口一番、「景色が素晴らしい」と言って鯉人くんが写真を撮っていた（写真はその景色…『田舎もんALL IN』より拝借）。正直うれしかった。映画の存在すら知らなかったみたいし、きっと数割はお世辞なんだろうけど…それでもうれしかった。自分たちが登った時、頂上には観光シーズンではないながらも家族連れや老夫婦を中心とした観光客がそれなりにいた。そんな中の一組に「シャッター押してください」って声も掛けられたんだけど、ファインダー越しに映るその景色が…自分にも不思議と美しく見えた。形だけしか残っていない城山、和歌山行きの旅客船が出入りする徳島港、通勤の時にいつも下をくぐる橋、はるか向こうにかすかに見える淡路島、そして壮大に広がる吉野川…。

自分に眉山へ登った記憶がまったくなかった。もちろん用事もないし…嫁と結婚する前に一度、二人でデートに行ったっけ？それ以来。徳島県民の方なら「近いしあそこにあるのは分かってるけど、登ったことがない」っていう方がおそらくほとんどだと思う。そんなこともあったのか、自分にはすごく新鮮で、その景色のことを誇らしげに思えた。整備に少しだけ言いたいことはあるけど…眉山から見る徳島の景色は壮観です。

これを機会にラーメンだけじゃなく、徳島の色んな良い部分を見つけられたら…と思う。