blogピュア1st.

Teacupブログより引っ越して来ました。
好きなマンガや、創作マンガについて語ります。

オカルト

2005-07-05 21:54:39 | 怪奇・ホラー

『オカルト』田口ランディ/新潮文庫/438円

『オカルト』の題名に曵かれて買った。
著者にまつわる不思議現象を書いた本だ。
 しかし著者は“霊感”はまったく無く、“超常現象もUFOも”信じないという。
そういう人の語る「オカルト」に興味が湧くではないか。

“掌編小説集”とあるけれど、エッセイ集という印象だ。
小さい頃の想い出も再現ドラマ風に語られていく。

思った通り、幽霊は出ないし霊現象も恐怖体験も出てこない
しかし日常をみつめ、過去を振り返る著述の中で、著者の“霊感”は研ぎすまされていくようだ

・・・“霊感”と書いたけれど、
「幽霊は信じないが、私は日本人として、内なる霊的なものを持っている」とある著名人が言っていた。共感できる。日本の風土の中で、霊的な歴史を共有していると思うし、誰もが霊的な存在だと思うからだ。

田口ランディも、「霊を信じる」のではなく、自ら霊的な存在として「オカルト」を語っているのだと思う。読み進むうちに、異常な出来事や異界に遭遇していく。
恐怖ではなく、涼しげな気配だ。



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5 コメント

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Unknown (ピュア1st.)
2007-10-21 10:06:13
 舞台芸術家が「感動は舞台で作られるのではな
い。…舞台と客席の間で作られるのだ」と言ったそ
うですが。

「創り手と受けての共同作業」
と、同じかもしれませんね。

 作品を発表しない主義(その方が純粋なアートだ
と考える)の人がいますけど、ボクは反対です。
 やはり鑑賞者がいて、作品は完成すると思うので
す。

http://www.cmo.jp/users/pure1st/
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Unknown (ピュア1st.)
2005-07-08 23:26:20
>自分ではない別のキャラクターになれる

 里中満智子さんがそう言って「マンガを描く動機
について」説明していましたよ。昔の《なかよし》
などで目にしました。

 ボクはそんなに上手くキャラを描き分けている自
信はないですが、それでも「本当のボクはどれだろ
う?」と思う事がありますよ。

 暴力シーンも描きますが、日常的には暴力などふ
るわないし(^^;

 自分の色んな面を振り分けているんですかね…?
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Unknown (秋田恵微)
2005-07-07 16:53:18
>創作にはそういう所がありますよね。

あ~!ありますよね!(激しく同調)
描いているうちに、その世界に入れ込んでしまっ
て、いつのまにかキャラクターになりきってしま
う。
ああそうか、いつもの自分ではない別のキャラク
ターになれるんですね。
だから、創作ってやめられないのかもしれない(^
_^;)

変な方向に話がずれました…
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Unknown (ピュア1st.)
2005-07-07 00:23:55
田口ランディさん、女性なんですよね。

そうですね。客観的でどこか冷めたような視点だと
思うんです。秋田さんも共感できそうですね。

それで霊感はない、と言いながら、書き綴るうちに
著者はある種のトリップ感覚になってるように感じ
ます。霊媒も同じような原理ですよね。

創作にはそういう所がありますよね。
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Unknown (秋田恵微)
2005-07-06 18:23:55
霊感のない人が語る、ってところがいいですね。
私も似たようなものかなあ。
自分がそういうものに興味があるのに、実際には自
分には体験できない。だからこそ客観的に見られる
ということもあるのかもしれません。
田口ランディさん…どっかで聞いたような(^_^;)
本、探して見ます。
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