まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

橋本のマッサージ屋 1階

2020-09-24 22:45:04 | ディテール
橋本の元遊廓建築でマッサージ屋が開業したと聞いて、先月友人と3人で行って来た。


橋本には2~3回行ったことがあったが、近年建物が解体されて更地が増えてきていることは知っていた。
その中の風格ある建物の1軒に、デカデカとポスターが(笑)
「漢方エステ」というのが店名の通り、中国伝来の漢方を使ったマッサージで、全く怪しくない。


玄関を入ると・・・うわぁ!ボコボコした巨大な木材の上がり框が何とも言えない独特の雰囲気をかもし出している。
玄関の正面に床の間か書院のような飾り棚が立ちはだかっているのも、いかにもな感じ。
洋風と和風がないまぜになって、色とりどりのタイルが妙に浮いている。


この幅木の部分に貼られたタイルは私が「ふっくらタイル」と呼んでいる類のもので、黒や白やあめ色やマーブルカラーなどは
よく見かけるが、こういったマットな中間色のラインナップは見たことがないように思う。
戦後、昭和30年代ごろのもののように見える。


大きさ違いのタイルを縦に3つ、細めのボーダータイルを挟みながら並べてある。色の並びはランダム。
紫や青緑など、珍しい色に目が釘づけ。きれいだなぁ~~




書院(?)欄間は松の木が彫られている。




階段の上り口の天井は白い漆喰塗りで洋風なモールディング。


階段の上り口の足元にもタイルが。
あとからオーナーのおばちゃんに聞いたところでは、現在カウンターが作られている後ろの壁にもタイルが貼られていたとか。
地震などもあって壁が崩れ落ちていたためやむなく撤去して捨てたと・・・ええーっ、もったいない・・・


上がり框の踏み段はタイル貼り。2色のタイルをしましまに並べて。


こちらは玄関に面した部屋の踏み段。床ももともとタイルだったのでは!?と思って聞いたところ、床は元から大理石だったそう。


珍木を使っているが、数寄屋ともちょっと違う。ちょっと「濃い」のか・・・やはりこの独特のスタイルは「遊廓造」なのかな。


オーナーのおばちゃんもマッサージそっちのけで建物を案内してくれ(笑)、建物の中ほぼくまなく見せてもらえた。
建物は中庭を挟んでコの字型になっており、渡り廊下のような部分から、中庭に向かって半間ほど張り出したスペースがある。
元々は手洗い場だったというこの部分の窓がいちめん素晴らしいステンドグラスなのだ!


原色の色ガラスが使われていて目がチカチカするほど派手!!ひとつひとつの模様を見ると、丸や三角や扇型など幾何学的な
形の組み合わせになっていて、アールデコ調に見える。ほとんどが型板ガラス。中央部にのみ透明のカットガラスがはまっていた。


ところどころ表されている花も単純な形の組み合せ。ポップな感じでとても楽しくてかわいいな!


曲面の窓にうまくはめてある。しかも外に面しているのに一枚も割れてもいないのだから、これは奇跡じゃない!?
あぁ素晴らしいな!!


ところでこちらは、1Fの玄関脇の部屋。この部屋でマッサージをしてもらったのだが、カーテンもなく
開けっぴろげなのが明朗ではあるものの、ちょっと気になる・・・(苦笑)


通りに面した窓の欄間。


バックヤードの部屋の建具の透かし彫り。


1階の玄関の裏側にある座敷。


一刀彫の欄間。


書院の欄間。


尚、この地区はもう完全に一般の住宅地となっており、その土地の歴史に注目されたくない人もいるだろうから、
あまり大人数で興味深げに歩き回るとトラブルを引き起こしかねないので、注意したい。

続く

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