まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

金門島でタイル三昧 沙美 Shamei

2018-09-02 23:48:33 | ディテール
台湾、金門島の続き。

后浦頭から道を挟んだ上手が沙美のまち。ここは金沙鎮の中心市街地で、中央部には市場がありそのまわりに商店街が広がっている。
こうやって次々と集落をめぐっていると、だいたい洋楼のありそうな場所が本能的に分かってくるもので(笑)
商店街を抜けて裏手へ少し行くと案の定洋楼が現れた。やっぱりあったか!!


洋楼の前には塀に囲われた庭があり近づくことはできないが、柵の間から覗くと、中央部が張り出し広いテラスに
なっていて、建物の入口の両側の壁にマジョリカタイルが貼られている!しかし深い軒下のため陰になって
よく見えないな。。。


横へまわり、柵が崩れて間隔が広くなっている部分から覗くと、美しいタイルが見えた!


・・・しかし、タイルパターンは左右2ヶ所ずつ配されており、手前側(左)の2面はきれいに残っているが、
奥側(右)の2面は大半のタイルがなくなっている。痛々しい姿。これは・・・・何者かが剥がして盗んだとしか
思えない!!そんなことをするやつは誰だ!?


この柵の穴も、タイルを見るために誰かが崩したのでは、と思ってしまう。。。
思えば、空き家になっている洋楼は管理人がおらず、監視カメラもついていない。誰でも自由に近づけるところも多く、
塀があっても忍び込もうと思えばいくらでも忍び込める。古いタイルはコレクターズアイテムとしてその価値は相場が
できており、金目のものと見て盗む輩がいても不思議ではない。


しかし!!そのタイルはその建物に貼られているからこそ、価値があるのだ。金門島の長い歴史の中で、なぜそこに
洋楼が建てられ、なぜそこに日本のタイルが貼られたのか、、、その背景を語り継ぐものであるからこそ価値があるのだ。
剥がしてしまえば、単なる色のついたセラミック。本物か偽物かというのは、そこに存在する理由があるかどうか、
の1点に尽きるのではないかと思う。レプリカでも補修のためにそこに貼られ100年使い続けられられば「本物」と
言えるだろう。
この洋楼のタイルがこれ以上剥がされないことを心から祈る。。。


レンガ造の大きな建物に出くわした。これは教会かな?
やっぱりそうだ。「中華基督教会」。金門島にもキリスト教信者がいたんだなぁ。


ここでもマジョリカタイルでなく、プリントタイル、モザイクタイル、絵タイルが貼られた家が多い


とてもラブリーで楽しいなぁ~。このタイルデザインは誰がどうやって決めたのか、一度詳しく聞いてみたいものだ。


古い商店街には立派な洋楼風の商店もみられる。


裏手には崩れた建物が古代遺跡のように残っていた。伝統建築物として現状維持する義務があるのかもしれないな。


ここは現代の商店が並ぶメインストリート!?商店街の正面に「金沙戯院」という建物がデンと建っていた。映画館だ。
しかし近寄ると、やっていなさそうな雰囲気。つぶれたのかなぁ、それとももっと近代的な施設が別にできたのだろうか。
このランドマークとしての戯院建築、空き家にしておくのはもったいないなぁ。




ちょっと暑すぎて休憩・・・かき氷を食べて人心地ついた。


体が冷えたらまた商店街を少し歩いて、タイル文字やメルヘンチックなパステルカラーのタイル壁などを鑑賞。






音符付のかわいいグレーチング。こういう遊び心のある台湾人、好きだなぁ~


そう言えばお昼ごはんも食べていない。あまりゆっくりしている時間もないので、昨日の夜、インスタントラーメン
ごちそうしてくれたおっちゃんが「これも持って行け」とくれたクリームパンを、金沙戯院の軒下で食べて飢えをしのぐ(苦笑)

結局金沙ではマジョリカタイル物件は1軒しか見つけられなかったな。。。

湖の対岸の后水頭という小さな集落にも立ち寄ってみる。かわいらしいミニサイズの風獅爺がお出迎え。


ぐるっとひとまわりするが、古い民居は残っているものの人の気配は少なく、タイルもなさそう。。。
空き家で崩れかけているところも目立つ。


人字積みの壁の崩れたところがあった。見ると表面には切り石を積み内側にはくず石を詰めていることがわかるな。


続く

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