まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

アイラブ旗津(台湾)

2009-09-18 23:48:19 | 風景
続き

高雄燈塔から降りて旗後山のもう一方の頂へのぼってゆくと、旗後砲台がある。
清朝時代に高雄港の防御のために作られ、対岸の壽山にある雄鎮北門の砲台と一対をなした。
要塞は伝統的民居の壁に用いられる紅磚(赤レンガ)がいろんなパターンで張られ、
その目的以上に美しい。


中庭に面した兵士房は実用一辺倒なコンクリートの箱であるが、まぐさ(開口部上の横材)
が入っていることでわずかにあたたかみが感じられる。


この中国式の重厚な門は高雄港側の崖に面して建っているが、そこへ至る階段は
見当たらず、今は草が覆い茂るばかりである。


旗津は向かいの壽山の麓とあわせて、かつて高雄が漁港であった時代からの古い町だ。
旗後天后宮という高雄最古の廟を中心に老街や海鮮街は今もにぎわっている。
ここでは新鮮な海の幸が安く食べられ、私も滞在中毎食渡船に乗って通ってきた。
そんな海鮮街の隙間から、チラリと見えた旗津教会。入口の門扉には新しい立派な
教会堂が描かれたポスターが貼ってある。近々建て替えられるらしい。


さてこの旗津半島は、幅は500mぐらいなのだが、高雄の都市部の広域地図を見ても
根元がどうなっているのかわからないほど長い。(ちなみに、元々は半島だったが
港湾整備のために切り離され現在は島になっているという)
この「島」と陸地の間には3ヶ所の渡船と1ヶ所の海底トンネルが結んでいる。
となれば、船好きの私としては放っておけない(笑)。
真ん中の旗津漁港~真愛埠頭航路は観光クルージングの性格が強いのか、
料金がずいぶん高いので、もう1ヶ所の中州-前鎮航路の渡船に乗ろうと、
中州輪渡站を目指して自転車で走り出した。

ところが・・・・めちゃくちゃ遠い(汗)

最初は見知らぬ街のサイクリングを楽しんでいたのだが、にわか雨が降ってくるし、
このあたりの詳しい地図がなく距離感がよくわからない。道路名といくつかの施設名
だけを頼りに、漁港や巨大な造船所の横を通りすぎ、延々1時間近く走っただろうか、
ようやく中州輪渡站にたどり着いた。。。
幹線道路からずいぶん入り込んだ所にあり、それだけに地元の客ばかりだ。
前で魚屋がトロ箱を並べていたりと、バイクが行列をなす鼓山や旗津の乗り場の
喧噪とはほど遠い、のんびりムードの日常生活風景。


うかつにも船の発着時刻など全くチェックしていなかったのだが、こちらは当然
便数が少なく、時刻表を見ると次の便は45分後であった。。。
2時間あいている時間帯もあったのでまだましか。危ない危ない(汗)


海上の風景もかなり様相が異なる。対岸の前鎮地区は大工業地帯であり、旗津側には造船所、
そして行き交うタンカー。世界に名だたる高雄港の壮大な風景の中をフェリーは行く。


クレーンやタンクが並ぶ工場の夜景もさぞきれいだろう。


航行時間は結構長くて、15分くらいだろうか。まさにクルーズと言えるほどの
乗りごたえで、料金は鼓山-旗津と同じ15元。満足満足。


前鎮輪渡站からまた自転車に乗って都心部へ戻る。トラックと併走する道のりを
考えるとちょっと気が重い。。。
広い交差点を渡ると・・・・あれっ、これは!
廃線跡だ!!あぁそうか、宿の近くの貨物線は港沿いにここまで伸びて、ここから
また旅客線の高雄駅の方へつながっていたんだ。


6車線くらいの広いT字路の交差点を、悠々と横切ってゆく2本の線。
そして、まだ反対側へも伸びている。
あぁ。。。貨物列車が車をずらりと待たせてここをゆっくり横断してゆく光景を思い描き、
しばし感慨に浸る。


続く

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