まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

金門島でタイル三昧 碧山 Bishan (2)

2018-09-05 23:34:22 | ディテール
台湾、金門島の続き。

碧山では先に別の洋楼を見つけたが、ぐるっと集落をひとまわりしたら目の前にすごいのが現れた!
おぉ~っ、これが有名な陳清吉洋楼か!!いい感じに色あせてさすがに雰囲気があるなぁ~


急いでスクーターを停め、近寄ってみる。入口の両脇にマジョリカタイルが貼られているぞ~~!
陳清吉洋楼は、材料を中国の泉州から運んで3年の年月をかけて作られ、1931年に完成。


うわ~~っ!!鶴の模様と、牡丹の花の4枚組の組み絵タイルが、6組も!そしてそれが左右に!すごい~~


入口の門は閉まっている。入れないのかなぁ、どこかよく見えるところがないだろうか・・・
塀沿いに歩いていくと、木の間から洋楼が見えた。建物にもタイルがいっぱい貼ってある~~!早まる気を抑えて
反対側へ回ると、こちらはドアが開いていた。おぉ~っと、ここにもタイルが!


こちらはふくろうの組絵タイルだぁ!かわいい~~!このようなタイルは多分台湾で見たことないな。いや
シンガポールやマレーシアでも見ていないと思う。特別感があるなぁ!これも日本製なのだろうか!?

「春山」の銘入り。

あらためて、門をくぐり洋楼の全貌を眺める。1階はオープンなテラスになっていて、左右が台形に張り出している。
1階と2階の間に一列タイルが貼られているのと、深い軒下にある壁には額縁のようなものが見えるな。


近寄るとやっぱりマジョリカタイルだ。レンガ壁にタイルが貼られている。しかもタイルをレンガで囲み、さらに
ボーダー状のタイルで囲み、いちばん外側をまたレンガで囲むという、入れ子タイル壁なのだ!

美しいなぁ~~

ここは2階から木が突き出しているものの、これまで見てきたもぬけの殻の洋館と違い天井は抜けておらず、しっかり
建っている。やはり名の知れている観光名所だけにちゃんと清掃もされてきれいに保たれているようだな。


中を覗くと、うぉ~~っ、左右の壁にもタイルが腰張りされている~~~
この4枚1組で円形の模様となるタイルは、深坑の永安居で見たものの色違いで、割とよく見かけるものだが
ずらりと並べるととても華やかなタイルだ。


后浦頭の洋楼でも同じような場所に貼ってあったな。
ここでは2段×7列、14ユニットの円形の模様がボーダータイルで額装され、左右それぞれの壁を飾っている。


そして隣にはまた別のタイルが。こちらのタイル単体の模様として完成されているが、並べて貼ることによりまた違う
模様に見えてくるから不思議だなぁ。洋楼を建てた80年前の人々もタイルの模様の七変化に魅了されたことだろう。


奥へと続く通路のらんまには色ガラスのファンライトが。




裏の部屋はほぼ階段室で、部屋の中央に急な曲り階段があり、2階へとつながっている。


そしてその奥にはオープンエアの光庭があった。この中庭を挟んでさらに奥にもう一棟洋楼がある。
2階のベランダからも直接渡れるようだ。


うわっ、中庭で上を見上げると、1階と2階の間にもぐるりと一列タイルが貼られている!ゴージャスだなぁ~


奥の洋館を覗いてみると、暗くてちょっと妖しげな雰囲気。置かれたベッドに、窓から光が差し込む・・・
そしてその壁には・・・タイル!?


急いで近寄って見ると、、、おや?これは・・・レプリカ?いや、レプリカでもない、プリントじゃないか!
プリントタイルではない。パネルに印刷されたものだ。何これ!?
ぱっと見るとレリーフ状の陰影があるのに、手でなでてみるとつるつるすべすべ、凹凸どころか、焼き物の
ひんやりした手触りはなく、プラスチックでコーティングされたパネルのコツコツした軽い質感。

あぁこれは、映画の撮影用に作られたものか。



反対側の部屋も覗いてみると、こちらはブルーのタイル柄。同じくパネルにプリントされたものだった。



・・・これってもしや・・・他の部分でもだまされているかもしれないぞ!?

急いでこの建物内のタイルをもう一度見てまわる。すると、中庭に面したタイルはプリントパネルが混じっている。
あ~やられた!!高いところなのでよく見えないが、光の加減でツルピカに見える。もしや全部それではあるまいな!?


表の部屋のタイルは!?あぁ、これは本物のタイルだ。外壁のは!?あぁ、こちらもちゃんとした焼き物だ。よかった。


この陳清吉洋楼は「軍中楽園」という映画のロケ地になっていて、きれいなのはその時に手を入れたからだろう。
あまり映画を見に行かない私であるが、この映画は友人から教えられてわざわざ見に行った。
焼き物のタイルの代わりにプリントパネルなんてありえないが、ロケの痕跡としてならまぁ許せる(苦笑)
レトロに演出した部分も多々あるのだろう。この洋楼はやはり観光スポットなのである。
いやしかし、素晴らしく雰囲気のある建物であることに間違いはなく、今までよく残ったものだ。
ロケにじゃんじゃん使ってもらうことで維持管理費用をまかなえるなら、それはいいことだな!


「Union Is Strength」。団結は力なり。

ここ碧山では前回書いた2軒と併せて合計3軒のマジョリカタイル物件を見ることができた。

続く

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