まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

新潟邸宅三昧 旧笹川家住宅2

2020-01-31 23:30:33 | 建物・まちなみ
2019年夏の新潟の続き。

笹川邸はめちゃ広かった。。。


三の間の真裏にあたる、家老の間。この天井の高さからすると10畳は狭く感じる。
シンプルな床の間と宙に浮いたような床脇の天袋。しかし・・・これも天袋というのかな?
上にくっついているのが天袋、下にあるのが地袋。これは・・・中袋??


そこに描かれた南天の絵は有名な絵師によるものだろうか。なかなか素晴らしい。冒頭の写真はここの引き手。


ちんくぐりには面白い形をした木(の根?)のスライスが使われている。


その隣は広間の奥にあたる御用帳場。庄屋の事務所部分である。


ここまでが「表座敷(役宅)」の部分で、いろりの間の横から渡り廊下で「居室部」に繋がっている。
居室部が建ったのは1821年、表座敷が1826年。表座敷よりも若干古いのは、火事の後に生活空間の再建を
優先したということなのだろう。ちなみにその前に三戸前口土蔵が1820年に建っている。※これらは上棟年らしい。


廊下の壁に掛けられていたのは鉄砲ではなく「獨龍水」と呼ばれる消火器。水鉄砲のようなものらしい。
元の建物が火災で焼けたことを教訓に常に手に取れるところに準備したのだろうな。


これはお風呂と洗面所。木造ながら近代的な香り。




ここは茶の間。神棚や各地のお札を貼り付けたボードなどもあって、真ん中には小さな囲炉裏。いかにも「茶の間」
という雰囲気だ。


松の木のデザインの自在鉤がおしゃれだな!


こちら「七畳の間」と呼ばれる部屋。文字通り畳7枚分の広さの部屋で1畳分が床の間となっている。
床の間の横には書院風の窓があり、小さいながら凝った造りになっていて面白い部屋だ。




屋内に縁側と土間が回る造りは新潟ではよく見かける。雪国に共通だろうか。


サンルームのような南廊下。




居室部の2つの居間と次の間、そして奥座敷の配置は、表座敷の広間・三の間・次の間と上段の間と共通している。
3部屋が一列に並び、折れて1部屋が繋がるL字型の配置。
こちらの奥座敷がいちばん格式の高い部屋だと思われるが、表座敷の上段の間とは違い華美さはない。


廊下との間に(これもちんくぐり?)ガラス、それもケシガラスがはまっているのが珍しいな!


どこかの部屋の襖の廊下側の面だったと思う。なんてカワイイの!!


廊下の片隅にあった手洗い。


主屋に対し微妙に傾いた角度で取り付いている勝手(台所)。


姥部屋の横の階段を上った2階部分。


奥土蔵につながる廊下。


奥土蔵の重厚な扉。土蔵の前には深いひさしが差し掛かり雪よけの垂れ壁が軒高の半分ぐらいを覆っているので
前室のようなスペースである。


蔵はここの他に、三戸前口土蔵、米蔵、飯米蔵、雑庫、と計5つの蔵が敷地内に建ち並び、壮観な風景だ。
ガランとした蔵もあったが民具などを展示している蔵もあった。


見上げると2階の部屋が張り出す形で載っている。おや、ここは何だ?
平面図を見ると、新奥と呼ばれる部分だ。1階奥には仏間や茶室もあるようで面白そうなのだが
非公開とは残念だな。。。


近世に建てられた邸宅だが、ちょくちょく増改築されたと見え面白い造作もあったりして、楽しめたな!!
閉館時間も近づいてきたのでそろそろ終わりにしよう。結局2時間近くいた。広くてさすがに疲れた・・・(苦笑)


続く

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