Home, sweet home

のんびりパンづくりお母さんの3人子育て奮闘記
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引越しシーズンに思う

2009-03-29 22:25:08 | パン・ホームベーカリー
広島に来てはや1年。

このちっさなピンクのアパートにも慣れて、近所の皆さんとも交流するように
なった。

でも昨日、今日、明日と3家族が引越しされてしまった。
香川や岡山といった県外に引越しなので、もうお会いすることもないのかも。
ゆうなと同じ年の子とかも行ってしまったし、私の作ったパンを食べてくれる
奇特な人も去ってしまう。。。かなし~。

我が家も転勤族なので、あと3年ほどしたら引っ越すんでしょうか。
私自身、父の転勤で東京や埼玉、千葉、石川を転々としていました。
なので住む場所が変わるのは苦ではないんだけど、今のとこ引っ越すたびに
実家から離れていくのがちょっと辛い。


私、実は実家が大好きなんです。

すごい田舎だし、バスも3時間に1本しか通らないような辺鄙なところだけど
離れていくのが悲しくて。

なんでこんなに実家が好きなんだろう。と問いかけて考えてみると、小さいころの
自分にとって、実家の自然が大事な友達だったんだと思います。

ハルジオンのちいさな花々が霧に包まれる山道をゆっくり歩いたり、木苺を摘んで
食べたり、きのこや山菜を取ったり、裏の杉を起こしてロープで結んだり、
タヌキやテンを見たり。家の近くの道には熊除けの鈴があって、子供心に怖いもの
見たさを覚えたものです。

雪が降れば1階玄関から外が見えないぐらいに積もって雪をかいて出たり、
おばあちゃんが台所で練炭の火を起こしてくれたりしたっけ。台所ではいつも古い
ラジオからNHKのアナウンサーが話す穏やかな声が流れていました。

両親が野鳥の会にいたので、舳倉島や三宅島、富士山、名も知らぬ潟へ行って
幾多の鳥も見ました。キャンプも、登山も、たくさんしました。

私が留学を決めて家を離れたとき、祖母が私のことを抱きしめてくれました。
そして祖父は私がアメリカにいる間になくなってしまい、その後を追うように
祖母もなくなってしまいました。2匹いた愛犬も私の不在だった2年半の間に死んで
しまいました。

そして両親・兄弟も埼玉に移っていたので、石川の実家には誰もいなくなって
しまったんです。空っぽの家でした。

しばらく埼玉の家族と暮らしていましたが、やっぱりあの田舎が忘れられなくて、
一人田舎に戻り、7人で暮らしていた家にしばらく住んでいました。一人には
広かったけど、なんでだろうか、不安はなかった。

何年かして両親が石川に戻ってきました。
そして家も建替え、新しくなりました。それと重なるように私はお嫁になり、
半年後には石川を去りました。

でも、今でもあの霧の中のハルジオンははっきりと思い出せます。
今の私があるのは、あの小さな町のおかげなんですね。
だから、自然と家に帰りたい、そう思うんです。
喜びも悲しみもすべて、そのまま包み込んだ空間なんです。


また、帰って、野道を散歩したいなぁ。

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