プンプイ的生活

ウワンな 【プンプイ@オーサカ】 がお届けする
 分かる人にしか分からない少々マニアックなタイ専門のブログですが。。。

ソムタム・マニア

2004年10月23日 | ★プンプイ的タイ料理★
昨夜は夕食に 『ソムタム』 (人参バージョン)を作ったので、ここで紹介させて頂きます。
既に 『青パパイヤのサラダ』 としてメジャーなタイ料理の仲間入りをしていますが、そもそもこの料理は 『イサーン地方』 (タイ東北部)及びラオスのラオ族の伝統料理であり、昔むかしタイの王様が地方視察の際に食され、『これは何とすばらしい料理なんだ!』 と感動され、クルンテープ (バンコク)に持ち込みました。 しかし、あまりにも辛かった為に、砕いたピーナツや干しエビを入れる事によりマイルドにアレンジし、それが現在の一般的な 『ソムタム タイ』 となった訳です。

元々イサーンは貧困であるが為に 『何でも食べる』 習慣があり、昆虫や犬(今では極一部ですが...)を食べる事でも有名です。 そこで、庭先でも簡単に育てる事が出来るパパイヤを果物としてではなく、熟す前の青い状態にて 『野菜』 として食べる様になりました。 また、貧困な為にイサーン人はタイ全土に出稼ぎに行くので、そこで故郷の味を食する内にタイ全土にも広がった様です。
マイルドなソムタムタイではなく、イサーンでは 『プーケム』 (生の沢蟹を塩漬けにした物) と 『プラーラー』 (小魚を塩付けにして発酵させた物) を入れるのが一般的です。 これらも食料保存の為の知恵であり、イサーンには独特の食文化が沢山あります。 非常に ケム (塩辛い)であったり、メン (臭い)なんですが、これを入れると大変 『コク』 が出て、慣れると止められません! しかしながら、日頃から 『イサーン人=田舎者』 と考える都会の人達は、ソムタム自体を田舎者の食べる物と嫌うばかりか、その臭さから 『プラーラー (パラー) なんて人間の食べる物ではない』 と拒否反応を起こします。 バンコク辺りのレストランでソムタムを頼む際に 『サイ プー パラー』 (プーとパラーを入れて) なんて言おう物なら、確実に笑われてしまいます。 しかし、それが日本人であれば、『大爆笑』 となります。 変な外人と思われるだけでなく、ウェイターやウェイトレスにイサーンからの出稼ぎ者が多いからです。 そこでサービス倍増となる訳です!!!

青パパイヤは輸入規制があるらしく、日本ではタイ産の巨大なマラコーは手に入りません。 沖縄産の小さな青パパイヤがタイ食材店や一部の八百屋に並ぶのですが、私はいつも黒門市場で購入しています。 これをみじん切りにする訳ですが、ソムタムを作る際には 『たたく』 と表現します。 皮を剥いた後に、青パパイヤを包丁で叩き続け、その後に削ぎ落として作ります。 細かなレシピは省略しますが、バンコク辺りでは 『唐辛子5本』 で、激辛ソムタムですが、イサーン人の激辛度に慣れてしまった私は最低15本は入れます。 タイ人でも辛党でなければ涙する辛さですが、イサーン人なら 『お前の味覚はすばらしい!』 と絶賛します。
昨夜は青パパイヤがなかったので、ニンジンで代用してプーとパラーと唐辛子15本で作りましたが、一緒にいた私の彼女と友人のイサーン人とラオス人は、『ニンジンは甘いから、唐辛子は25本ぐらいで丁度いい辛さかな!?』 なんて、お茶目な事を言っていました! 恐るべしイサーン人!!
ちなみに、25本バージョンでは皿に顔を近づけるだけで15分は涙が止まりません。 辛さを和らげようと1口でも水を飲めば30分は何も口に入れられなくなり、塩が激甘に感じられ、食後も1時間はタバコを吸う事が不能になる地獄料理です!!!
では、また次回を乞うご期待!!! 当分はイサーン料理編かな? 

PS : 先日の大阪タイフードフェスティバルでも1軒は何度も細かくレシピを尋ねられた上、何度も味見をさせられ、もう1軒は 『自分で作れ!』 (知り合いの店なんで) と言われるソムタムマニアな私です。