The Society of Psychiatry and Neurology 精神神経学会

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糖尿病の合併症

2015-05-16 02:42:39 | 国民保健

糖尿病には、治療せずに放置しておくと合併症を起こしやすいという特徴があります。生活習慣病である2型糖尿病は、糖尿病それ自体よりも、むしろ合併症のほうが恐ろしいといえます。合併症は一度発症してしまうと完治することはほぼありません。糖尿病をできるだけ早期に発見して治療を始めなければいけないのは、合併症が発症する前の段階で食い止めるためでもあるのです。

糖尿病が引き起こす三大合併症、全部いえる?


◆発症したら完治が難しい三大合併症
糖尿病には、三大合併症があります。それは、進行すると失明する可能性がある糖尿病性網膜症、人工透析が必要な糖尿病性腎症、そして進行すると手足の切断が必要になる糖尿病性神経障害です。これら3つの疾患はいずれも進行すると死に至る可能性もあるため、できるだけ発症しないように予防策を講じることが大切です。


◆特定の器官に合併症が生じる理由
では、なぜこれらの合併症が生じやすいのでしょうか? 体内のさまざまな臓器や器官は、ブドウ糖を取り込む際に、インスリンを必要とするものもあれば、そうでないものもあります。例えば筋肉繊維などは、ブドウ糖を取り込む際にインスリンを必要とするため、どんなに血糖値が高くなっても、インスリンが不足している糖尿病の場合には影響を受けないのです。一方、網膜や腎臓、末梢神経などはインスリンがなくてもブドウ糖を取り込んでしまうため、血液中の糖の濃度が高くなると、それをそのまま吸収してしまいます。難しい説明は省きますが、高濃度の糖は、これの器官にとって「毒」となってダメージを与えてしまうのです。


◆ほかにもある糖尿病の合併症
三大合併症のほかにも、糖尿病の恐ろしい合併症はあります。例えば、血糖値が高い状態が続くことで、全身を流れる血管の壁が弱くもろくなる「血管合併症」と呼ばれるものがそうです。動脈など強度のある血管がもろくなるほか、もともとデリケートで破れやすい毛細血管などは破れて出血を起こす危険性もあります。そうした血管のダメージが脳内の血管で起きれば脳梗塞や脳卒中になりますし、心臓の近くなら心筋梗塞や狭心症などにもなりかねません。また、不整脈になるリスクも考えられます。

さらに、命にかかわらないものを含めれば、合併症はほかにも多数あります。男性ならEDになってしまったり、自律神経のバランスが崩れて下痢や便秘になりやすくなったり、女性なら骨粗鬆症で骨折しやすくなったりします。また、免疫力が低下するために風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなることもあります。糖尿病は、あらゆる種類の疾患につながるとても厄介な病気なのです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150510-00000008-mocosuku-hlth


がんより怖いがん治療-近藤誠

2015-05-16 02:41:18 | がん

「近藤誠」の画像検索結果
近藤誠 慶応大学(アジア大学ランキング第53位)

 医者が信じられない。頼りになるはずなのに、不信感しか持てなくなりそうだ。このままでは、病院に行くのも怖い。そんな暗い気分にさせる、知りたくなかった医療の現実を見せつけたのが、『がんより怖いがん治療』(小学館刊)だ。がん治療、がん検診、医者の裏側を赤裸々に明かしたのは、『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋刊)で日本の医療界を敵に回した近藤誠氏。40年間にわたり医者として活動してきた慶応義塾大学病院で見てきたことや経験してきたことなどから、医療界の真実の姿を浮き彫りにする。


■ともに怖い、手術と抗がん剤治療

 第1章と第2章で明かされるのは、がん治療の怖さ。次のような実態を知れば、怖くなるだろう。勘三郎さん(歌舞伎俳優の中村勘三郎さんのこと)は、食道がんの手術から約4か月後に亡くなった。真の死因は食道の全摘手術にある。胆汁や消化液を誤嚥し、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)を引き起こしたのは、手術によって胃や気道の機能に障害を起こした結果だからだ。(※同著より)

 がんに冒された食道を全摘出し、胃袋を引き上げて代用食道を作る大手術の結果が「術死」。誰にでも起こり得ることだけに、手術への不安がかき立てられる。ならば、抗がん剤が安全かといえば、そうともいえない。

 抗がん剤が効かない最大の原因は、がん細胞を殺すと同時に、正常細胞を殺してしまうことにある。(中略)最も危険な側面は、生命に関わる重要な臓器に害を与えることだ。骨髄、循環器、呼吸器、消化器、泌尿器、中枢神経などの機能を低下させる。その結果、体は異常を来して、ひどくなると死亡する。(※同著より)

 手術も抗がん剤も信じられない。がん治療が信じられないものになっているのは、患者第一ではない医療界の体質にあった。手術は、19世紀に始まったときから、がん治療の最新、最良の技能と見なされ、医療界に君臨してきた。(中略)手先が器用で手術がうまければ、論文など書かなくても、つまり研究しなくても、出世の道が開けるのが外科である。(中略)よって、切除できそうががんは手術になって、臓器が取られてしまう。(※同著より)

 抗がん剤治療の恐ろしさは、新薬の実験台(被験者)にされることだ。(中略)第2相試験の実験台に選ばれるのは、もう何をしても治る見込みのない患者たちだ。対象になるのが、乳がん、胃がん、肺がん、卵巣がんなど、もともと抗がん剤が効かない種類のがんだからである。さらに、すでにほかの抗がん剤を使って効果が見られない患者を選んでいるからである。(中略)しかし、治る見込みがないなら、残された人生をできるだけQOLを保ちながら、穏やかに暮らしたい人も多いだろう。それを医者は、ゼロに等しい効果をちらつかせて、実験台にしてしまうのだ。(※同著より)

 がん患者は、出世と実験のために利用されるということか。医療界には、病に苦しむ人を救うという崇高な理念は微塵も残っていないのか、と絶望したくなる。

■がん検診に意味はなし

 しかし、がん治療よりもある意味で恐ろしいのが、がん検診だ。第3章では、がん患者がつくり出される現実を示す。健常者をがん患者に仕立てるのは、治療より怖い。こんな信じられないことがまかり通っている現実に、背筋が凍る。

 がん検診に意味がないことは、日本のがんによる死亡者がいっこうに減らない事実を見ればわかる。厚生労働省の統計では、がん死亡者が1950年以降、増えつづけているのだ。定期検診や人間ドックが普及し、「早期発見・早期治療」が推奨されている。検診推進派が言うように、早期がんを早期治療すれば、進行がんにならないのだとしたら、日本では早期がん患者が増えているのに、なぜ死亡者は減らないのだろうか。早期発見されるがんの多くが「がんもどき」であるからだ。(※同著より)

「がんもどき」とは、他臓器に転移しておらず、放置しても転移が生じないがんのこと。「がんもどき」をがんとして取り扱い、治療に持って行くのは、医療は産業でもあるからだ。「医は算術」という側面が露骨なまでに表出している。

 しかし今や、がん検診は多くの人の生活を支えている。検査料を稼ぐだけでなく、発見したがんを治療することで二重に稼ぐことができる。がん検診からがん治療に至るコースは、病院の大きな収入源になり、医者や職員を養っている。(中略)しかし病気になる人の数は、毎年だいたい同じである。市場規模は決まっているのだ。そこで新たな市場として、健康な人を病人に仕立て上げようとする。そのための手段が検査。(中略)今や健康な人たちが、医療産業にとって米であり石油なのだ。彼らがいないと医療産業は回っていかない。(※同著より)

 本来、「医は仁術」であるべきなのだろうが、産業としての側面もあることは理解できる。しかし健康な人を病人に仕立てるのは詐欺そのもの。医療機関に対する信頼が、音を立てて崩れていくような衝撃を受ける。

■不必要な検査や医療は受けないで

 第1章から第3章は、高い専門性を利用し、がん治療でやりたい放題のことをしている医療界の印象を強く印象づけたが、第4章以降は、間違った治療や検診に立ち向かう著者の戦いにシフト。どのように戦い、その過程で達した新境地が中心になっている。

 苛烈な戦いに、著者には味方する者などおらず、孤独な戦いを強いられる。そのため採用した戦法が、メディア利用し患者を味方につけることだった。『文藝春秋』にある論文が掲載されるとき、二人の娘に対して語ったことが、戦いの苛烈さを物語っている。

 原稿を編集部に渡し、輪転機が回っている頃、ぼくはふたりの娘を呼び寄せて語った。「パパはこれから外科を相手に一戦かまえる。それで、いろいろ迫害されて、うちは貧しくなるかもしれない。覚悟しておいてくれ」と。(※同著より)

 そして、戦いは無傷では済まず、代償が伴う。著者が支払った代償は、出世の道を完全に断たれたことだった。覚悟を決め、万年講師の道を受け入れた著者だが、覚悟を決めた人間は強く、しぶとい。万年講師生活で得られた時間を使って最新の医学論文を読み込み、メディアを利用してこれまでのがん治療やがん検診を真っ向から否定する言論活動を活発に展開する。その真骨頂といえるものが、『患者よ、がんと戦うな』であった。

 面白くないのが、真っ向から否定された医療界。なりふり構わず著者を潰しにかかる。しかし、そんな医療界をよそに、患者は著者に味方し、著者の外来を訪れる新患は後を絶たない。セカンドオピニオンを求めて来る人が多いことから、著者は治療をせず相談だけを受けるセカンドオピニオン外来を開く。医療界との戦いから著者が読者に伝えたかったことは何か。それは、次の記述で明確に示されている。

 人は自然にまかせて生活するのが一番健やかに、長生きできる。だから読者には、不必要な検査や医療を受けないようにしてもらいたい。そのためには医療や治療法の知識以外に、医療業界の有り様について知っておくことも必要だろう。知らないとカモにされるのである。ほかの業種ならカモられたところで、お金や財産を失うだけだが、医療では最悪の場合、命がなくなる。(※同著より)

 医療は産業。治療代と検査代を稼ぎたい病院に、製薬会社や医療機器会社の思惑も絡む。様々な思惑が絡む複雑な構図の中で病院の言いなりにばかりになっていれば、助かる命も助からないことだってある。長生きしたければ、賢くなるしかない。これが、著者が読者に伝えたいメッセージである。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150314-00010001-dime-soci

船瀬俊介 ガンで死んだら110番 五月書房(2008)
近藤誠 大学病院が患者を死なせるとき 講談社(2003)
近藤誠 大病院「手術名医」の嘘 講談社(2004)
近藤誠、清水とよ子 医療ミス(2003)





近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来

www.kondo-makoto.com/

近藤誠 - Wikipedia

ja.wikipedia.org/wiki/近藤誠

何度でも言う がんとは決して闘うな - 本の話 - 文藝春秋

hon.bunshun.jp › 自著を語る

「病院は金のためなら平気で子宮を奪う」異端医師・近藤誠氏の ...

www.sankei.com/premium/news/141206/prm1412060011-n1.html