The Society of Psychiatry and Neurology 精神神経学会

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ホルミシスの効果とリスク

2013-04-26 08:07:53 | ホルミシス
動物実験レベルではそれなりの結果が出ているから全否定は難しい。いきなり人間に当てはめ「安全安心」もどうかとは思うが効果がでる可能性は否定でない。LNT仮説も「仮説」で同じ立場。

ホルミシス効果を否定するのは難しい。否定する説明の方が詭弁や非論理的なものばかり。
大部分の人は細胞が傷ついても自然に修復される、放射線は例外だとの説明には無理がある。
確率論的敷居値がとても低い人ならば癌になるが大部分の人には細胞の修復が発生するので健康に良い。
低線量放射線被曝のリスクを見直すhttp://bit.ly/rRBITz
飛行機での放射線の被曝量http://bit.ly/uwuSOH
飛行機の乗務員は乳癌や皮膚ガンが多いhttp://bit.ly/uUaIyn
乳幼児の死亡率に関するスターングラスの説http://bit.ly/ryjHnH
放射線の妊婦(胎児)への影響http://bit.ly/sesX5Z
スリーマイル島原発周辺でのガン増加http://bit.ly/vvaPdx
少ない放射線でも健康に影響があるとする広島低量放射線被爆の健康被害 http://bit.ly/rLrS6c
ラジウム岩盤浴は被ばく施設http://bit.ly/vPFPQF
タバコに放射性物質http://bit.ly/ujV4K1
アスベストや喫煙による発ガン http://bit.ly/up19MG
プルトニウムの毒性はアルファ線http://bit.ly/t34l4N
プルトニウムの発ガン性http://bit.ly/stORwv
乳幼児の死亡率に関するスターングラスの説http://bit.ly/t34l4N
プルトニウムの漏洩http://bit.ly/uGeMCh

低線量放射線被曝のリスクを見直す

2013-04-26 07:24:59 | ホルミシス
「低線量放射線被曝のリスクを見直す」より抜粋(20050125)
http://www.csij.org/archives/2010/01/post_59.html

市民科学研究室低線量被曝プロジェクトメンバー(西尾 信一、笹本 征男、柿原 泰、瀬川 嘉之、上田 昌文)

1. はじめに

 「弱い放射線を微量受けることで細胞が刺激を受け,身体の細胞を活性化させ毛細血管が拡張し、新陳代謝が向上、免疫力や自然治癒力を高める」と謳われる放射線のホルミシス効果の宣伝文が,放射能泉として名高い三朝温泉がある鳥取県三朝町のHPにある。もともと放射能泉は,三朝温泉や山梨県増富鉱泉,秋田県玉川温泉などの天然のものも放射性物質を用いた人工的な「ラジウム温泉」「ラドン温泉」「トロン温泉」なども各地にあった。それらの効能はもちろん放射線によるとされるものだが,あくまで経験的・伝統的なもので科学的に実証されたものではない。しかし,最近はこの放射線ホルミシス効果の認知度が高まり,「微量放射線はかえって体によいことが科学で明らかになった」として,放射能泉や微量放射線を出す健康グッズなどの宣伝に用いられている。

 このような放射線ホルミシス効果を重視し宣伝する原子力・放射線の一部の専門家(以下,これをホルミシス学派とよぶことにする)の立場は,現行のICRP(国際放射線防護委員会)による微量放射線に対する人体影響評価を過大評価と批判するもので,ICRPの評価が過小評価であるとするECRRの姿勢と真っ向から対立するように見える。これら三者の微量放射線に対する判断は,表1のようにまとめられるだろう。ただ,後述するようにECRRは放射線ホルミシス効果そのものをまったく否定しているわけではない。そこで,科学としての放射線ホルミシス効果がどのようなもので,何が問題になると考えられるかを明らかにし,併せて放射線影響に関する基礎知識を確認したい。

2. 放射線ホルミシスとは何か

 放射線ホルミシス効果とは,1980年に米国のThomas D. Luckey, Ph.D.によって提唱された概念で,「高線量だと生物に害を及ぼす放射線は、ごく微量ならば生物の生命活動を活性化する」というものである。ホルミシスhormesisとは,「ホルモン」の語源であるギリシャ語のhormo(“刺激”“促進”という意味)を元にしたLuckeyによる造語である。

 放射線ホルミシス効果を実証するものとして紹介される研究結果は,抗酸化酵素SODの活性化の亢進などの分子レベルの効果,細胞増殖の促進などの細胞レベルの効果,がん転移の抑制などの個体レベルの効果など,多数ある。しかし,その大部分は,最初に低線量を照射させておくと,次に障害を与えるような高線量を照射したとき、その障害が軽減されるという本来の意味のホルミシス効果とは質が異なる放射線適応応答という現象であり,そのほとんどは細胞や動物実験レベルのものである。肝心のヒトに対する疫学研究では,後述するように明確な結論が出ていないと言える。

8. ホルミシス効果に対する評価

 ホルミシス学派の主張には,さまざまな問題がある。まず,限られた一定の条件で細胞レベルの適応応答などの微量放射線の有益な効果があることが実験的に認められたからと言って,それは「一般に微量放射線を浴びることはヒトの健康によい」ということに直接つながるわけではない。また,動物実験のデータは,放射能泉のような極微量放射線とはレベルが違う線量で得られている。たとえば,抗酸化的防御効果が得られるのはマウスでは全身照射で100mGy以上である。さらに,前項で見た例のように,ヒトの疫学データは都合のよいものが選ばれ,都合よく解釈されている。有益効果を生む他の要因の可能性,比べている対照群の不適切さ,一貫性の欠如などがあるとの指摘もある。とても,トータルとしてヒトへの微量放射線にプラスの効果があるとは科学的に言えない現状である。それなのに「微量放射線は体によい」というイメージが一般に浸透することを容認し,推進するかのようなホルミシス学派の姿勢は,誠実ではないと言えよう。

 一方,ICRPは,現段階の最新の1990年勧告で,しきい値やホルミシス効果について次のように述べている。
「理論的考察も大部分の利用可能な実験データならびに疫学データも,低LET放射線*xiiに対する発がん反応にしきい値があるという考えを支持しない。」
「今日,“ホルミシス”と呼ばれるこのような影響に関するほとんどの実験データは,主として低線量における統計解析が困難なため,結論が出ていない。そのうえ,多くのデータが,がんあるいは遺伝的影響以外の生物学的エンドポイントに関係したものである。現在入手しうるホルミシスに関するデータは,放射線防護において考慮に加えるには十分でない。」

 また,ECRRは「ホルミシス効果はあり得る」が,それはあくまで「中間的な線量範囲(100mSv以上)で現れ」,「長期的な効果は有害かもしれない」から,「放射線防護の観点からは考慮すべきでない」と結論づけている。基本的にはICRPと同じと見てよいだろうし,この両者の姿勢は科学的で冷静である。