路上の上。

愛車KLE400との旅路をメインに、日々雑多な出来事の独り言。

2014年度版九州・沖縄道の駅スタンプラリーの旅14 錦江湾一周キャンプツーリング2 大泊野営場まで。

2014-10-27 20:58:13 | 道の駅スタンプラリーの旅

2014年10月22日水曜日 雨のち曇り。

 道の駅「うき」休憩所のベンチの上で目覚めたのは、日付が替わった22日午前1時過ぎだった。
対人センサーの照明で、身動きさえしなければ自動的に幾つかの照明は消灯し薄暗くなのだが煌々と照明は焚かれていた。
言わずもがな、先のお兄さんが落ち着きなく動いているおかげで照明が落ちることは無い。
お兄さんは炊き立てのご飯を飯盒の中蓋へよそって頬張り始めた。

 休憩所の外を見ると小降りになっている。
液晶の大型情報パネルに映し出される気象レーダーの雨雲を見ると、鹿児島県に入れば雨はあまり降っていない様子だった。
空調のおかげで雨具も少し乾いている。
「よし、行こう」。

 雨が小康状態になって走りやすくなった。
深夜とあって交通量も減ったからというのもあるが、暴走トラックの群れが時々ハイビームで煽ってくる。
その度に速度を上げてバックミラーの視界から消し去ると、再び狂ったようにハイビームで追いかけてくる。
道の駅「たのうら」の休憩所も24時間解放しているので、こちらでまた休憩する。
雨具をつけ座ったまま眠ったらしく気付くと午前4時を過ぎていた。
ポケットから飴ちゃんを一つ取り出して口に放り込み、再び国道3号線を南進する。

 水俣を抜け、道の駅阿久根でトイレ休憩をし、薩摩川内に入ったのは空も白んだ午前6時過ぎである。
さすがに空腹と眠気と雨に濡れて体力は消耗しきっていた。
雨対策でシートバックはビニールでグルグル巻きにしており、荷を解くのがそうとう面倒でお湯を沸かすことすら出来なかった。
諦めて目に入ったすき屋に入り並盛を一杯掻きこんだ。
少し息を吹き返し、国道3号から国道270号を走り、本日の第一目的地道の駅「きんぽう木花館」へ到着したのは午前7時30分過ぎである。

◆道の駅「きんぽう木花館」の駐車場にて。
開店時間が午前9時からで、まだ1時間半も待たなければならない。
休憩所はあるが、道の駅営業時間内しか開放しておらず休めそうな場所は軒下の縁側か、店舗前のレジャー椅子くらいしかなかった。
休憩所の縁側で横になって少し眠った。
金峰町は、日本神話のコノハナサクヤヒメの出身地で、この道の駅に銅像がある。

◆木花咲耶姫像が神々しい。
絶世の美女とされるが、姉妹であって、姉の方は器量が悪くニニギノミコトに速攻で親元に返されたとか。
姉妹でそんな差がと思うが、コノハナサクヤヒメの子供が海幸彦、山幸彦なのでそんなものなのだろう。
太古の民族的記憶を神話に置き換えて空想するのも楽しいが、またの機会に。

 午前9時に目覚め、スタンプを回収して再び走り始める。
まだ空はどんよりしていて、時々小雨が降るが、一応回復傾向にあるようだ。
道の駅「川辺やすらぎの郷」に着いたのは午前9時30分過ぎだった。
スタンプ台の前に50代中頃のお兄さんから「どこから来たの?」と懐かしい鹿児島弁(特に薩摩半島南側の訛り)で聞かれた。
鹿児島弁と言っても薩摩半島南北、大隈半島東西で異なり、よそ者の私でも北薩と南薩で訛りが異なるのが分かるから面白い。
「どこから来たの?」も「どっからきやったと?」とは見知らぬ旅人には使わないが、イントネーションが独特の高低で発せられる。
「福岡県からです」とざっくりと答える。
もっとエリアを絞って聞かれればその時に答えればよい。
「福岡ぁ、福岡へは新幹線でしか行ったことがない」と言われた。
九州新幹線が福岡鹿児島間全線開通したのは何年前だったか。
私は利用したことが無いが、なるほどと思った。
あと2、3言会話を交わしたがお兄さんの携帯電話がなりそこで途絶えたので、スタンプを押し後にした。

 川辺峠を越えると錦江湾が見え始め、産業道路に出る頃には日差しが出て気温も高かった。
国道225号は錦江湾を望みながら流れよく走れた。
ここは昔は交通渋滞の難所だったような記憶があり、あまり良い印象は無かったが、
渋滞で詰まっていた箇所は片側二車線に改良されている気がした。
海岸沿いは暑く、レインスーツの下にはライディングジャケットも着ていたので汗ばんできて仕方がない。
道の駅「喜入」に到着後装備を一旦脱ぐことにした。

◆道の駅「喜入」にて。
温泉施設を無理やり道の駅にしている感が凄まじい。どんな力が働いたのだろうか?
それはともかく、写真を一枚パチリとした後駐輪場へ移動させて、レインスーツにジャケットに中着を脱ぐとさっぱりした。
しかし、まだ空模様は怪しかったのでライディングジャケットをビニール袋に入れてネットで固定しようとしたが、ネットフックがなかなか掛からない。
「うーーーん」とフックを持って引っ張っているとツルッっと手が滑ってしまった。
そして、そのフックは私の左目を直撃する!
一瞬の出来事と、強烈な打撃による痛みでその場にうずくまった。
「やってしまった、失明したか!?」と目の痛みと共にその不安に駆られる。
左目からは涙なのか血なのか分からないが、とにかく体液がボトボトと溢れ出しているのが分かった。
覆った手の平を右目で見ると血ではなく涙で、恐る恐るバックミラーで左目を確認すると目玉はちゃんとあった。
だが、左目は白内障だとこう見えるのかなと思えるくらい真っ白に曇ってしか見えない。
白目は真っ赤に充血している。
「くそうっ」と自分の不注意を嘆いたところで痛みも視力も回復しない。
暫く痛みが引くまでKLEの横に座り込んだ。
30分ほどそうしていると、なんとか運転できるくらいの視力と視界が得られるまで回復し先を急ぐことにした。
しかし、ボンヤリした感じはあと2日ほど治らなかったが、大事に至らなくて本当に助かった。
左目の痛みを堪えつつ道の駅「いぶすき」へ。

◆道の駅「いぶすき」。
正直、目の負傷で写真どころでなかった。展望所があり、錦江湾が一望できるのだろうが足が向かない。
スタンプを押印後、ゆっくりと更に南下する。
左右とも裸眼で1.5以上の視力で、左目がボヤッとしても結構しっかり見えて運転には支障がなくなった。
道の駅「山川港活お海道」へ到着したのは午前11時ごろである。

◆道の駅「山川港活お海道」にて。
目の痛みにも大分慣れてきて、どうにか気分的に落ち着いてきた。
腹が減っていることに気付き、道の駅「山川港活お海道」内を物色するがピンと来なかった。
この先に、山川-根占間を結ぶ「なんきゅうフェリー」があり、次の出航が13時と時間が空いている。
航行時間が約50分とあるから、根占に到着するのは14時辺りの計算だ。
しかも、結構運賃が高い。
一旦鹿児島市まで戻り、桜島フェリーで大隅半島に渡ってから九州本土最南端を目指そうかと考えた。
が、目の負傷と、体力的な消耗もあってなんきゅうフェリーにて錦江湾を横断、大隅半島へ移動することにする。

◆薩摩半島の山川港から錦江湾を横断し大隅半島の根占へ渡る。

◆山川-根占間を結ぶなんきゅうフェリーの乗り場にて。
出航は13時で、30分前にバイクから載せるのでその時までに準備をして待っていてくれとのこと。
料金は大人700円バイク125-7500cc900円合計1,600円だった。
フェリーのバイク料金設定区分では、未だに750cc神話が息づいている。
実にありがたい設定である。財布に優しい中間排気量万歳(車検費用除く)。
とはいえ、400じゃ少し足りないと感じることもあり、自分のスタイルだと500~650cc辺りがベストかもしれない。
うーん、KLE500かヴェルシスになるのかなぁ
などと考えているうちに乗船へ。この時と下船時のワクワク感は堪らなくスキだ。

◆拘束されるKLE400。
この様に前後車輪止めとロープで固定される。
各フェリー会社や航路によって固定方法が異なるから面白い。
ただ、船によってはかなり手荒く扱われるので神経質な人にはお船無理かもしれない。
多少の擦り傷上等くらいな大きな気持ちで利用しよう。

◆今日のランチを船上でいただく。
船外の客席に座り、排気ガスの臭いと潮の香りを感じながらウエストバックに忍ばせてきた菓子とジュースを取り出した。
これが今日のランチである。甘い菓子と、苦いグレープフルーツジュース(常温)が体に沁みる。

◆結構揺れる揺れる。そして途中雨も降ってるし。
食事を済ませて目を閉じると、自然と寝入ってしまった。気付くともう下船である。
途中雨が降り、遠目からでも大隅半島の南側に雨を降らせている雲が移動しているのが分かった。
雨に降られる覚悟を決めて下船し、道の駅「根占」へ向う。

◆道の駅「根占」。
スタンプコーナーが木製の電話ボックス再利用?。なかなか良い味出している。
道路を挟んで海側に何か痛い感じのモニュメント?があった。

◆愛の巡礼地だと?
一瞬、絞首刑台か張付け台にしか見えなかった。
なるほど、相合傘に鐘をぶら下げているのか。
どういった由縁のものかググれば出てくるだろうからその内やってみよう。
ここで時刻は午後2時30分過ぎであった。
このまま北上して桜島方面の道の駅制覇をとも思ったが、もうクタクタなので今日はここまでとし、寝床確保へ。
九州本土最南端佐多岬は、実に20数年振りかな。
南に進むにつれ、先ほどの雨雲が通過した痕跡が残っていた。
路面は濡れに濡れているが、もう西の空には雨雲らしきものは見当たらず、これから先は降りそうもない。
午後3時過ぎ、大泊野営場へ到着。早速テント設営である。

◆貸切の大泊野営場。

◆今日のディナー。
九州本土最南端Aコープにて鹿児島県産豚使用のウインナーを購入。
その際、レジのお姉さんに「近くにお肉屋さんがあるけど、お惣菜とかあるんですか?」と訊く。
「唐揚げとか、コロッケとか美味しいですよ。あと、餃子も。」との情報を得る。
九州本土最南端精肉店にてコロッケ一個と唐揚げ1パックを買い求めた。
これ全部で250円である。

◆これが九州本土最南端精肉店の唐揚げだ!
Aコープのお姉さん情報の餃子は見当たらなかったが、今回の装備で餃子を上手に焼ける自信がないのであるいみ良かった。

◆ご飯を炊く重石にトレック900を上に置き、そこへレトルトパウチカレーを入れて温める。

◆静かに日が暮れていく・・・
誰も居ない貸切の大泊野営場は無料で利用できる貴重なキャンプ場だ。
今日は風が強く張り縄をしっかし張っていないと飛ばされそうである。
駐車場の半分くらいは浜辺の砂が上がっていて、条件が揃うと潮が堤防を超してきていることが想像された。
風は強いが、今日は大丈夫そうだ。
日没後、夜空には雲ひとつ無くなり、満天の星空を満喫した。
折りしも、オリオン座流星群が見れる可能性があるとのことで、寝袋に包まりながら星空を眺めていた。
スーーーーと人工衛星が往くのが見える。
程よく焼酎がまわり、身も心も軽やかになっていた。
一つ二つ、キラリと流れた流星を見届けると、緩やかに意識は闇に落ちていった。

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