釈迦如来、又は、釈迦牟尼仏とは、実在した仏教の開祖釈迦を、永遠に衆生を救済する仏(仏陀)として敬う呼び方です。
上座部仏教(いわゆる小乗仏教)では、現世における唯一の仏とみなされており、最高の悟りを得た仏弟子は阿羅漢(アラカン)と呼ばれ、仏である釈迦の教法によって解脱した聖者と位置づけられております。
大乗仏教では、十方(東南西北とその中間である四隅の八方と上下)三世(過去、未来、現在)の無量の諸仏の一仏で、現在の娑婆(サハー、堪忍世界)の仏です。また、三身説では仏が現世の人々の前に現れた姿であるとされております。
そのお姿は、法隆寺に代表される、右手を施無畏印、左手を与願印に結ぶ例が多く、飛鳥時代には、左手の小指と薬指を曲げている作例(法隆寺金堂、室生寺など)もあります。ただし、禅系では、禅定印の像が作られる例が多い。
仏像の形は、釈迦八相(誕生釈迦、樹下思惟像、苦行釈迦、出山釈迦、降魔成道、説法釈迦、涅槃釈迦)と呼ばれる、釈迦の一生の節目ごとに表現しているところに特徴があります。
脇侍は、釈迦三尊の場合は、一般的に左に文殊菩薩、 右に普賢菩薩を伴います(薬王菩薩・薬上菩薩、観音菩薩・虚空蔵菩薩、梵天・帝釈天などの組み合わせも見られます)。さらに文殊・普賢の脇侍に、十大弟子の迦葉、阿難の二尊を加えた五尊形式の例もあります。
眷属は、八部衆(釈迦に教化された異教の神々)や十大弟子(釈迦の主な弟子)を従える例があります。