さわき

　
F log

土曜日、初台でバレエを堪能してから恵比寿に移動。
年に数回の贅沢、予約してある天ぷら　「さわき」へ。
ご主人とは10年以上のおつきあい。
独立する前は「山の上」にある小さなホテルの天ぷら職人でした。
FとF嫁の結婚式がそこで行われ、料理を担当していただいたご縁があります。

いつもは開店の午後5時半に駆けつける我々。今回はバレエが3時からだったので予約は7時。
入ってビックリ。カウンターのみ11席は満席。我々の席だけ空いてました。
調理場はご主人ひとりだけ。あとはフロアーをお義母さんが担当します。
いつもおまかせでコースをベースに調整してもらうので、何もいわずとも仕事が始まる。
込んでいるからご主人大忙し。ビールでも呑みながらじっくりと待つ。

この日、出されたものは・・・

　巻海老の頭　2つ
　穴子の骨　
　巻海老　2本
　ふきのとう
　小たまねぎ
　キス
　百合根
　京人参
　メゴチ　2匹
　どんこ（椎茸）
　舞茸
　烏賊
　白魚
　銀杏
　牡蠣
　くわい
　穴子
　天丼または天茶
　デザート

と、どーだまいったかの内容。今回は頼まなかったが、いつもはこれにさつまいもの天ぷらも。
最初から写真も撮りたかったのだが、込んでいたので遠慮する。
巻海老の頭は最高なビールの友。軽く塩をつけてカリッと。捌いた後にでるアナゴの骨も
素揚げで。ポリポリしてやはりよいつまみになる。
巻海老は身も美味しいが、丁寧に仕事した尾も香ばしくて美味。
ふきのとう、小たまねぎは一口サイズ。かたやほろ苦く、かたや甘くてジューシー。
キス、メゴチのお魚コンビもあいかわらず美味しい。とくにメゴチは旨い。
百合根はホコホコしてうまいし、京人参はとっても甘い。人参嫌いな方でも絶対に食べられる。
大ぶりのどんこはかぶりついた瞬間、ジュワーと汁があふれ濃厚な香りが立ち上がる。
落着いてきた舞茸の頃から徐々に撮影開始。


左－特選舞茸、右－白魚。烏賊はあまりの旨さに撮影忘れ・・

舞茸はえっ？そんなにと思うほど時間をかけます。先はカリカリッと軸の部分はジューシー。
白魚は上から塩をぱらぱらと。もうお酒呑んじゃうでしょ、ここは。
あっそうそう、お酒は最初一杯生ビール、つぎから新潟「麒麟山」の冷酒。
二合呑んだ後、ご主人が麒麟山の大吟醸なんて反則技をくりだすので思わず乗る。
定番の麒麟山も旨いが大吟醸辛口は一枚上手。気づくとF嫁もお猪口を空けてやる気満々。


左－銀杏、右－くわい。

銀杏はしみじみ美味しい。お正月に食べなかったので今年初くわい。これもホコホコして美味。


当夜の白眉、牡蠣の天ぷら。

旨い!! チャンピオン!! 優勝!!
岩手産の肉厚ぷりぷりの牡蠣をさっと揚げ、スダチで。
左側の部分はカリッとして香ばしい。右側の厚いところは噛むとじゅうわ～とレアの牡蠣汁が。
ご主人曰く、牡蠣は良いものを使わないと中の水分が流れ出て油が汚れるそう。
良い牡蠣を使えばまったく問題ないとか。


キスやメゴチと比べ、しっかりと揚げられた穴子。

穴子は1本で揚げてからご主人が銀箸でサクッと二つに。その瞬間の湯気を撮りたかった。
この穴子のみ、天つゆでいただきました。他はすべて塩で。

ここまでかなり食べているが、毎回不思議なのは食事が入るスペースがあることだろう。

左－F嫁の天丼（小盛）赤だし付、右Fの天茶（大盛）

いつも思うのだが、天茶を考えた人は天才だね。
小柱、三つ葉のかき揚げの頂上に本わさび。熱い出汁をかけてわさわさとかっ込みます。
ん～んまい。F嫁も赤だしをすすりつつ天丼をばくばくと。
最後にデザートの抹茶いちごをいただいて、お茶を飲みつつ「ハァ～」大満足でした。

魚貝はもちろんお刺身でもいけるものを揚げる。生で食すのと違った旨さを堪能できる。
季節ごとの野菜のおいしさも特筆すべきもの。
これだけ天ぷらをいただいたのに、まったく胸焼けしないとF嫁は申しております。
F家では「さわき」の帰りに限ってのみ、快速のグリーン車に乗ってよいことになっております。
ふたりともリクライニングさせ、腹をさすりながら家路につきました。
ザハロワ↓観たばかりだっつーのに、いいのだろうかこれで・・・





黙々と仕事をこなす実直なご主人は、名人といわれた近藤文夫さんのお弟子さん。
温度の異なるふたつの揚げ鍋を使いこなします。材料によって変えるんだって。
銀座の超有名店に比べれば抜群にコストパフォーマンスは良い。
とはいえウチらではしょっちゅう食べられるわけではないので、四季ごとに年に四回は
食べにくることが目標です。
ごちそうさまでした～。