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其ノ壱より続く
前回触れた 戦艦「扶桑」図面集 ですが素晴らしいですね。
RICOH GR
序文と写真が少々、後はひたすら図面、図面、図面です。
このように年代ごとの艦体図も見事ですが、装備品ひとつひとつが微に入り細に入り描かれています。
そして圧巻なのが扶桑型戦艦の命ともいえる前檣楼です。
これ以上階層が増えたら折れるんじゃないかと心配になるほど積み上がったこの最後期もいいんですが、
煙突 2 本時代のスッキリとした三脚楼もまた魅力的です。
この書籍は「扶桑」の時代ごとの変遷がよくわかり、図面をただ眺めるだけですけど飽きませんねぇ。
RICOH GR
さて図面を愛でているだけでは仕方ないので手を動かします。
先日、仕事帰りにタムタムに寄って久しぶりの 1/700 ウォーターライン の購入と相成りました。
あ、フジミなので シーウェイモデル っていうんですか?
肝心の「扶桑」ですが、高荷先生のボックスアートに惹かれて昭和19年の最終状態のキットを買ってしまいました。
本当はもっと初期のタイプ ( 昭和 10 年、13 年、16 年と各モデルあり ) を入手しなければならなかったですね。
理想を言えば艦尾延長前の昭和 8 年バージョンが欲しいのですけど。
で、何故かその上には 巡洋戦艦「赤城」 が。
ご推察のとおり “八八艦隊に準ずる” とされた前檣楼を移植するためです。
加えて 16 インチ連装砲塔を 2 基流用できます。
下に再掲した艦本試案を見ると主砲塔の形状は角張っていて微妙に異なるのですがそこは大人の分別で見なかったことにw
もっともこの素晴らしい図面もメモ程度のアイディアスケッチを元に起こされたものということです。
もちろん模型店の棚の横にはネームシップである「天城」もありました。
しかしやはり高荷先生のイラストと、「赤城」には真鍮製の 16 インチ主砲の砲身が 10 門分付属していたんです。
しかし 1/35 AFV マイナー車輌のモデル化も凄まじいものがありますが、艦船でも計画艦が次々とリリースされてますね。
ウォーターライン創世記からすると、まさか八八艦隊の諸艦がモデル化されるなんて考えてもみませんでした。
RICOH GR (再掲)
何度見てもいいですなぁ。
特に後ろを向いた 2 基の三連装砲塔が好きなんです。
中でも第 4 砲塔は長船首楼レベルで甲板から高くなっており、ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦のイメージもあります。
そこまで高くはないですが。
そして前檣楼を挟んだ 3 基の主砲塔は前出の G3 級巡洋戦艦を思わせます。
砲数も前檣楼の形も違いますけど。
ま、どっちにしても大好きです。
だからこそ数十年ぶりに平底艦隊に手を出したわけです。
RICOH GR
「赤城」の箱を開けインスト無視で前檣楼から手をつけます。
久しぶりの 1/700 ですが、組立説明書のイラストを現物の 3D に変換する能力が確実に衰えてます。
いくら見てもよく分からないんです。
この細かな階層に補強材を加え、エッチングの手すりを取り付ける猛者達がいますが神業ですね。
器用・不器用とかの問題ではなく職人技ですよ完璧に。
船体と煙突はもちろん「扶桑」の物です。
煙突の電探など最後期仕様ですからかなり異なりますが習作なので良しとします。
そして「赤城」の 16 インチ連装砲塔を 4 基こしらえ、船体上に配置してみます。
「扶桑」の 14 インチ連装砲塔用のバーベットですから砲塔がはみ出しています。
3 番砲塔がバーベットからずれていますが、艦本試案ではこのあたりの位置なんですよね。
RICOH GR
バーベットの経を増やすのが面倒なので掟破りの砲塔削りですw
「赤城」の 16 インチ連装砲塔の下部、広がっている部分を無理やり削ってみました。
これで違和感は少し減りましたが、三連装砲塔のことを考えれば根本的な解決にはまったくなってません。
RICOH GR
とりあえず全体のシルエットが見たい気持ちが先走って荒事に及んでしまいました。
「扶桑」の第 4 砲塔バーベットを削り取ってしまったのです。
この穴は煙突部を後ろにずらすことで塞げるのではないかと‥
宮崎駿先生版「高射砲塔」の様な後楼はすべて組まずこの状態でとりあえず乗っけてみます。
あらら前檣楼基部も削らないと第 3 砲塔がまったく前方に指向できないじゃないですか。
やはりポンと乗っけてハイ OK とはなりませんな。
それでもなんとか全体像が見たくて無理やり配置して撮影したのが、G3 級巡洋戦艦 のマネをして撮ったトップ写真です。
いや素の状態じゃありません。
じつはタレントさん並みに画像処理してますw
RICOH GR
それが比較がこちら。
上 がシルエットなのをよいことに、艦本試案に近づけようといろいろと修正したトップ写真です。
下 は現実、素の状態ですね。あら、意外とよいプロポーションかも。
まず艦本試案のシルエットですが 16 インチ連装砲塔の大きさが目立ちます。
この砲塔 6 基は絶対無理ですね。
艦の前半部はあまり変化ありません。
赤矢印の最初は第 3 砲塔ですが、「扶桑」のバーベットをそのまま使ってしまいました。
当然、煙突部とは間が空きますから、トップ写真では煙突自体を前方に画像処理で移動してます。
その分生じた後楼との隙間にはシルエットで低い構造物をでっち上げてます。
後楼はホントに置いただけで高角砲もマストも乗せてない中途半端な状態です。
第 4 砲塔は下の現状だとバーベットが高いままですが、上の写真ではやはり画像処理で長船首楼後端のレベルまで高さを下げてます。
同様に下の写真では「扶桑」の第 6 砲塔のバーベットはそのまま残っていますが、これも上の写真では処理してあります。
そしてもっとも大きな差は艦尾です。
艦本試案は大改装前ですので艦尾は延長されてません。
下の素の状態では最終状態のモデルですからもちろん延長されてます。
上の写真では長さは適当ですが、画像処理で短くしてあります。
まぁいつまでもシルエットであ~だこ~だ言っていても始まりません。
RICOH GR
「扶桑」の船体に「赤城」の艤装品を載せた習作 「戦艦扶桑41cm砲搭載艦本試案」 です。
RICOH GR
やはり残念なのは第 3 第 4 砲塔が 16 インチとはいえ連装砲塔のままということです。
砲塔をどうにかして作るしかありませんね。
第 3 砲塔の位置ももう少し後方に移動したいところですが…
RICOH GR
そして「扶桑」の第 6 砲塔跡バーベットも何とかしたいですね。
ここにもう一つ連装砲塔を乗っけてしまえば、16 インチ砲が 10 門にはなりますが…
いやいやそれでは == 三 三 という艦本試案の変態砲塔配置が根底から崩れてしまいます。
ただ艦尾短縮に関しては船体全体をいじる作業ですので F の手に余ると思います。
艦本試案が就役した後でも延長話wは出ると思いますので、当面このままで行きたいと思っています。
それにしてもなかなかカッコイイですね。
この角度から見る軍艦、特に主力艦は大好きなのです。
RICOH GR
前方から。
やはり第 3 砲塔と煙突部の空間が気になります。
船体のバルジ等はもう気にしないことにします。
シルエットでプロポーションをかいま見て、より艦本試案が好きになりました。
いつもの悪い癖で早く完成形が見たくて、ここまでたった半日強で進んでしまいました。
昭和10年バージョンを入手 (昭和 8 年ものが出る可能性は低いだろうなぁ) して、今度は丁寧に進めていこうと思います。
現時点で困難と思われる点
◯ 16 インチ三連装砲塔を 2 基制作する
◯ 三連装砲塔に合わせたバーベット径の増化
◯ 第 3 砲塔バーベット位置の移動
◯ 旧第 6 砲塔バーベット跡の整形と甲板の再現
◯ 後部艦橋の制作
中でも第 3 砲塔の移動や第 6 砲塔バーベット跡をどうやって均したらいいのか、今の段階では検討もつきません。
また蜜柑山の果実と化すかもしれませんが、まずは三連装砲塔の制作からゆっくり焦らず始めたいと思います。
其ノ参に続きます
砲塔はプラ板積層からの削り出しでしょうか。まぁ、なんとかなるでしょう(楽観)。
早く完成形が見たいと思うのはモデラーの性。でも、仮組み等で完成形が見えちゃうと、そこで満足してしまうので気を付けてください(笑)。
私がこのパターンですから(汗)。
続報を楽しみにしています。
積層板からの削り出しですか~
左右対称に削るのがとっても苦手なのです。
他の方法も含めいろいろ検討してみたいと思います。
仮組みバンザイ!
私も今回のブログ up でけっこう満足しちゃいました、危ない危ない。
とりあえず三連装砲塔はどうしても作りたいので頑張ります。
ぜひ長~い目で見てやってください。
それにしても実艦にたいする「拘り」が並大抵でない・・・
「これいい♪」となると無性に再現したくなる&きり刻み実践に感動しました。あ~でもこ~でもで、仮組までは一番楽しいときかも?
課題の砲塔ですが、積層からの削りだしの場合、左側面を削ってから右側といった行程を普通考えますが、前半部を削ってから後方を削るって行程に切り替えれば、対象をきにすることないと思います・・・って、変わんないかっ!!(失礼)
まぁ実際に完成品を高いレベルで物にされている方々から見ると笑っちゃいますよねぇ。
「拘り」で脳内においてこねくり回している内がいちばん楽しいのもしれません。
なるほど前後で考えるのならば気が少し楽になります。
積層の他にも邪道な手を考案中なので、いよいよになったらプラ板積んでみようかと思います。
轟沈の場合はギャグとしてご覧いただけたら幸いです。