経済なんでも研究会

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中央銀行への 疑念 (下) ・・・ 日本銀行

2021-03-24 07:59:55 | 日銀
◇ 真意が不明な政策の微調整 = 日銀は先週19日、金融緩和政策の修正を発表した。そのポイントは2つ。1つは長期金利の変動幅を、現行のプラス・マイナス0.2%からプラス・マイナス0.25%に拡大したこと。もう1つはETF(上場投資信託)の買い入れについて「月間6兆円」という原則を廃止、買い入れ対象から日経平均に連動するETFを外してTOPIX連動だけにしたこと。日銀は緩和政策の副作用を抑制するために、こうした修正を実施すると説明している。

長期金利の変動幅が小さいため、いま金融機関は国債の売買で利益を出すことが難しい。この状態を改善するため変動幅を広げたと日銀は説明するが、こんな広げ方で状況は改善するのだろうか。それよりも国債の増発で長期金利が上昇することに、いまから備えた措置ではないのか。市場がこう疑うのも無理はない。

日銀のETF買い入れ残高は、2月末で35兆円を超えている。ETFのなかには業績の悪い企業の株式も含まれるが、日銀が買うので株価が下がらない。この弊害を少なくするため、銘柄数の多いTOPIX関連一本に絞ったのは理解できる。しかし同時に「月間6兆円」の原則を廃止したのは、なぜだろう。黒田総裁は「ETFの買い入れを減らすつもりはない」と言っているが、減らさないのなら原則を消去する必要はないのではないか。

日銀はいずれ、保有したETFを売らなければならない。だから保有額をあまり増やしたくはない。日銀がこう考え始めてもおかしくはない。アメリカではFRBが「23年までの緩和政策継続」を表明したにもかかわらず、市場は緩和政策の終了を警戒し始めた。この空気を感じ取った日銀が、現在の政策の“出口”を意識しても不思議はない。少なからぬ投資家が、そう感じ始めた。

       ≪23日の日経平均 = 下げ -178.23円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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