経済なんでも研究会

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‟将来”を語らない 政治家たち

2021-12-24 07:54:24 | なし
◇ 日本をどんな国にしようとしているのか = 臨時国会が終わった。読売新聞の集計によると、衆参両院で開かれた予算委員会の審議時間は合計約33時間。そのうち「新しい資本主義」に関する質疑は約2時間だった。あとはコロナ対策や10万円の給付金、あるいは安全保障問題などに使われたという。その「新しい資本主義」も、大部分は介護師などの賃金引き上げに終始。要するに「日本経済の将来ビジョン」に関する発言は、全く聞かれなかった。

たとえば過去30年にわたって、賃金が上がらない。それを是正するために「賃上げをした企業の法人税を下げる」という。だが、それで3年後、5年後の賃金水準がどうなるかという議論はない。岸田首相の「令和所得倍増論」も、いつの間にか消えてしまった。中間層の所得が増えないのに、高所得者の収入は急増している。このため貧富の格差は広がったが、それを是正しようという議論も消え失せた。

臨時国会では、総額36兆円にのぼる過去最大の補正予算が成立した。しかし内容はコロナ対策、GO TO トラベル、10万円の給付金など、当面の対策に終始している。唯一、半導体の国内生産拠点確保に6170億円が計上されているが、これも現在の半導体不足への対応。将来を見据えた長期戦略の一環とは、とうてい考えられない。

世界は脱炭素の方向に、急速に動いている。だが日本は火力発電の比重を下げられない。そんな電力を使っていて、EV(電気自動車)の競争に勝てるのか。電機も半導体も自動車も競争に負けたら、日本は何で食って行くのか。日本の将来について、多くの国民が心配している。それなのに、いまの政治家は与野党ともに‟将来”を議論しない。当面の問題が山積みなのは判るが、だからと言って長期計画を考えられないということはないだろう。

        ≪23日の日経平均 = 上げ +236.16円≫
 
        ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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