経済なんでも研究会

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植田総裁は 説明が下手すぎる

2023-09-26 07:18:55 | 日銀
◇ 国民には何も伝わらない = 日銀は先週20日に開いた政策決定会合で、ゼロ金利政策を中心とする金融緩和政策の継続を決定した。植田総裁は会合後の記者会見で、その理由を「企業の賃金・価格設定行動の一部に従来より積極的な動きが見られ始めているが、物価安定の目標の実現を見通せる状況には至っていない。だから粘り強く金融緩和を続けて行く」と説明した。だが、この説明を聞いて「なるほど、よく判った」と感じた人が何人いただろうか。

また「マイナス金利解除の条件は?」の質問には「物価目標の実現が見通せる状況になった場合には解除も視野に入るが、それがどういう変数とどうひもづいて短期金利がどのくらい動かなといけないのか。まだ決め打ちできる段階ではない」と、理解不能な答え。さらに「マイナス金利解除とYCC(イールドカーブ・コントロール)修正はどちらが先か?」については、あっさり「さまざまなオプションがある」と、はぐらかせた。

びっくりしたのは、為替市場の動向を聞かれたときの答え。「われわれの物価見通しにも影響を及ぼすものであるという観点から、常に注視している」と、まるで傍観者のような姿勢。日銀のゼロ金利政策と為替相場は、全く関係がないような口ぶりだった。いま円の対ドル相場が148円台に下落したことから輸入物価が再び高騰、庶民はガソリンや電気・ガス代の値上がりに苦しんでいることなど、気にかけていないようにも見受けられた。

日銀は「賃上げ率が物価上昇率を上回るような状態で、物価が2%程度の上昇に落ち着くこと」を目標にしている。だが、その達成は「まだ見込めない」という。そして足元では物価が3%以上も上昇、企業も個人も苦しんでいる。いまは物価の引き下げに全力を集中すべきなのではないか。物価が下がれば「賃上げ>物価」の状態も達成できる。そもそも中央銀行は物価を引き下げて、通貨価値の安定を図ることが最大の使命のはず。植田さんに、ここのところを聞いてみたい。

        ≪25日の日経平均 = 上げ +276.21円≫

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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