経済なんでも研究会

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意外に健闘した  企業業績

2022-11-22 07:52:28 | 利益
◇ 下半期の見通しはそんなに甘くない? = 上場企業の4-9月期決算がほぼ終了した。日経新聞が1159社を対象に集計したところによると、全産業の純利益は前年比4.8%の増加だった。厳しい環境にもかかわらず、予想外の健闘だったと言えるだろう。製造業は原材料の高騰で1.4%の増益にとどまったが、非製造業が8.2%と大きく伸びた。非製造業の増益幅は10-3月期にさらに拡大、この結果22年度は全産業で7.4%の増益になる見通し。

4-9月期の決算を業種別にみると、製造業では石油が55.2%、機械が33.5%、鉄鋼が18.0%の増益だった。その一方で、自動車・同部品は15.4%の減益となっている。資源高や円安の影響が、業種によって大きく異なった。非製造業ではコンテナ船運賃の高騰で海運が200%、資源高で商社が38.7%の増益。通信は31.0%、銀行は27.2%の減益となっている。

10-3月期の見通しも、非製造業が引っ張る形となっている。企業の見通しを集計すると、製造業はいぜんとしてコストの上昇が重しとなって、来年3月までの通期では0.2%の減益に。しかし非製造業は増益幅を拡大、通期では16.6%の増益が見込まれている。この結果、全産業では7.4%の増益になるという。

だが世界経済は、これから下降する公算が大きい。またコロナの‟第8波”も、冬を迎えて本格的に拡散する危険もある。そんな環境の悪化にもかかわらず、はたして増益幅を広げることは可能だろうか。加えて日経新聞の集計をよく見ると、下半期には通信業の利益が7.2倍にも増大。これが非製造業の利益を大きく押し上げる形になっている。その原因の一つは、ソフトバンクが前期の大赤字から回復するためだ。全体として、下半期の増益見通しは甘すぎると思う。

        ≪22日の日経平均は = 上げ +170.95円 ≫

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