経済なんでも研究会

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ロシア産原油の輸入禁止へ : G7

2022-05-10 07:21:55 | エネルギー
◇ 日本は参院選まで動かない? = アメリカ・EU・日本などのG7(先進7か国)首脳は8日、オンラインで会談し「ロシア産原油の輸入禁止に取り組む」という共同声明を発表した。すでにアメリカは、バイデン大統領が「ロシア産の原油・天然ガス・石炭の輸入を全面的に禁止する」大統領令に署名。またイギリスも「原油の輸入を段階的に停止する」方針を公表している。岸田首相は「日本も原則禁止の措置をとる」と表明した。

日本の原油輸入に占めるロシア産の比率は3.6%で、そんなに大きくはない。しかし欧米諸国が輸入を禁止することで、国際価格はさらに上昇するだろう。現状でさえ日本のエネルギー事情は、窮迫している。電気料金やガソリン代が急騰、貿易収支は赤字に陥った。もしロシア産の原油を禁輸すれば、その分を何かで補わなければ、この夏には大停電が起こる危険性もなくはない。

この非常時を乗り切るためには、原発を動かすしかないことは明かだ。いま原発は全国で10基が稼働中。ほかに規制委員会の安全審査で合格した原発が7基あるが、地元住民の反対やテロ対策の不備で動いていない。政府は自衛隊の活用など、あらゆる対策を講じて原発の再稼働を進めるべきだ。だが政府は、エネルギー対策の基本姿勢さえ確立できずにいる。

たとえば、原発は35年には全廃する。しかし現在の非常事態を乗り切るために、安全な7基の原発を再稼働する。こうした政策を明確に打ち出すべきときではないか。だが参院選を前に、票を失う可能性がある原発問題には触りたくない。その心情は、岸田首相の「ロシア産原油の輸入停止時期は、実態を踏まえて検討して行く」という発言によく表われている。

        ≪9日の日経平均 = 下げ -684.22円≫

        ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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