経済なんでも研究会

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賃金は6年前より 15%減った

2021-11-12 07:40:50 | 賃金
◇ 岸田首相の促進策は有効なのか = 厚生労働省は9日、9月の毎月勤労統計を発表した。それによると、1人当たりの現金給与総額は27万0019円。前年に比べて0.2%増加した。このうち基準内賃金に当たる所定内給与は0.1%の増加、残業料に当たる所定外給与は4.4%の増加だった。所定外給与が伸びたのは、コロナの影響で昨年9月は残業が著しく減ったことの反動。残業時間は、昨年より3.4%増えた。

一般労働者の現金給与総額は34万8845円で、前年比0.8%の増加。またパートタイム労働者は9万6261円で、前年比1.8%の減少だった。最低賃金の引き上げでパートの時間当たり給与は平均1229円となったが、現金給与総額は減少した。最低賃金引き上げと関係があるのかどうか、精査してみる必要があるだろう。

問題は長い目で見ると、賃金がかなり下落していること。2015年=100の指数で現金給与総額をみると、9月は85.6。一般労働者は85.0、パート労働者は98.3となっている。つまり給与はこの6年間で15%ほど減少したことになる。また、これを実質賃金でみると、9月の指数は82.8だった。

岸田首相は景気回復の切り札として、中間層の賃金アップを掲げている。その方策として、賃上げを実施した企業の法人税を減税するという。だが日本の企業の4割近くが、法人税を支払っていない。税金を払えるほどの利益を出していないからだ。そうして、こういう企業に働く人の賃金が、むしろ上がっていないはず。しっかり考えてくれないと、中間層の賃金を底上げすることは難しい。

        ≪11日の日経平均 = 上げ +171.08円≫

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


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