経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

韓国にも抜かれた 日本の賃金水準

2022-11-09 07:51:45 | 賃金
◇ 上がらない原因を究明すべし = 厚生労働省は8日、9月の毎月勤労統計を発表した。それによると、1人当たりの実質賃金は前年比1.3%の減少。これで6か月連続の減少となった。名目賃金である現金給与総額は27万5787円。前年比では2.1%増加したが、物価の上昇率がこれを上回ったため、実質賃金は目減りした。なお現金給与総額の内訳は、正社員が35万7039円、パート労働者が9万9939円だった。

日本の賃金水準は、過去30年間ほとんど上がっていない。こういう国は世界でも珍しい。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、1991年の時点で日本の平均賃金は加盟国中13位だった。それが21年には24位にまで低落している。この順位はドルに換算した数字を比較しているので、最近の円安を考慮すると順位は28位にまで下がるという。

この間、多くの国の賃金水準が日本を追い越していった。最近ではお隣り韓国にも抜かれている。2001年の時点では、日本の方が2倍以上も高かった。平均賃金だけでなく、たとえば最低賃金も、韓国の方が高くなっている。韓国の最低賃金は時給9160ウォン(約962円)で、日本は961円。さらに大学卒の初任給でみても、両国の差はなくなっている。

こうした状況下で、岸田内閣は企業に対して、賃上げを要請するだけ。賃上げした企業を税制面で優遇する方針も打ち出したが、これも小手先の政策。なぜ、もっと踏み込んで「賃金が上がらない根本的な原因」を追究しようとしないのか。政府や日銀の政策に誤りはないのか。政府に「これは一大事だ」という認識がないから、そこまで突っ込めないのだろう。

        ≪8日の日経平均 = 上げ +344.47円≫

        ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

コメントを投稿