経済なんでも研究会

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小泉元総理が 原発ゼロ法案 (中)

2018-01-25 08:06:02 | 原発
◇ 壊滅したエネルギー政策 = 「原発は絶対ダメ。即停止・即廃止」というのが、小泉氏や細川氏の主張だ。これに対し「原発はない方がいい。しかしエネルギー不足になる心配があるので、即停止・即廃止というわけにはいかない」という現実論者も少なくない。特にこれらの人たちは、日本のエネルギー政策が崩壊してしまったことで、その心配を強くしている。

政府は太陽光発電を促進するため、電力会社による強制買い取り制度を12年度から導入した。ところが、そのとき買い取り価格を1キロワット時40円と異常に高く設定したのが、つまずきのもと。電力会社はその分を電力料金に上乗せしたため、企業向けや家庭用の料金が高騰してしまった。驚いた経産省はあわてて買い取り料金を20円まで引き下げたが、こんどは事業者の採算がとれず、太陽光発電はいま行き詰まりの状態に陥っている。

風力やバイオマス発電でも同じような過ちを繰り返し、現在は自然エネルギー発電の拡大がほぼ停止してしまった。原発の再稼働も進まないため石炭火力発電に頼らざるを得なくなり、こんどは温暖化ガスの削減も停滞する始末。最初は日本と同じ過ちを経験したドイツが態勢を立て直し、自然エネルギー発電の比率を3割以上に高めているのに比べれば、日本の政策的な大失敗は明らかだ。

政府は14年に作成したエネルギー基本計画で「30年度の再生可能エネルギー発電比率を22-24%に増やす」と決めたが、現状では達成の見込みがない。本来ならば17年中に新しい計画を作り直すはずだったが、それもできない。こんな調子だから、現実的な原発反対論者は、ますます原発の即停止・即廃止には賛同できなくなっている。

                           (続きは明日)

      ≪24日の日経平均 = 下げ -183.37円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

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