経済なんでも研究会

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東京電力の 愚策 : 処理水の処理法

2021-09-03 07:41:14 | 原発
◇ 小型タンカーで運んだら = 直径2.5メートルの海底トンネルを、沖合1キロまで掘り進める。そこへ処理水を流し込み、海中に放出する。--東京電力がまとめた処理水の処理法である。福島第1原発で発生した汚染水から、トリチウム以外を除去したものが処理水。現在、原発の敷地内に設置された1000基以上のタンクに保管されている。政府と東電はことし4月、この処理水を海洋に放出することを決めた。

トリチウムは三重水素と呼ばれ、水の性質と近いため現在の技術では分離が難しい。原発を運転すると必ず微量のトリチウムが発生するため、世界中の原発がこのトリチウムを含んだ処理水を海洋に放出している。ところが福島県では風評被害を恐れる漁業者が海洋放出に反対、東電は沖合1キロでの放出で風評被害を軽減できると考えた。

それはいい。しかし海底トンネルを掘る必要があるのだろうか。処理水を押し出す装置も含めると大工事で、相当な費用がかかる。それよりは簡単な岸壁を造り、小型のタンカーで運んだらどうだろう。費用がずっと安くなるうえ、放出する地点も自由に選択できる。1か所で放出するより、トリチウムを分散処理できるに違いない。

福島第1原発の廃炉には、膨大な費用がかかる。その費用は、税金の投入と電気料金の値上げで賄うしかない。ならば処理水の海洋放出に多少の費用がかかっても、心配することはない。東京電力の処理案には、こんな考え方が見え隠れする。原子力規制委員会が最終チェックするようだが、なぜタンカーではダメなのかを明らかにしてもらいたい。

        ≪2日の日経平均 = 上げ +92.49円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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