経済なんでも研究会

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追い詰められた 日本銀行

2023-12-16 06:44:25 | 金融
◇ マイナス金利政策を止められるのか = アメリカの中央銀行であるFRBは12-13日、FOMC(公開市場委員会)を開いて「政策金利を5.25%のまま据え置く」ことを決めた。またFOMC参加者による金利の見通しでは「24年は少なくとも3回の利下げ」が見込まれることも公表。さらにパウエル議長は会見で「政策金利はピークに近い可能性がある」と言明した。こうしたことから、市場は「引き締め時代は終わり。来年は5-6回の利下げも」という空気に包まれている。

市場は直ちに反応した。ニューヨーク債券市場では、10年もの国債の利回りが4.0%に低落。株式市場では、ダウ平均が3万7000ドルを突破して、1年11か月ぶりに史上最高値を更新した。SP500、ナスダックも年初来高値を付けている。一方、円の対ドル相場は141円台に急上昇。1日で3円以上も値上がりしている。当然ながら、日経平均は大きく値下がりした。

こうした状況のもと、日銀は18-19日に政策決定会合を開く。そこでの注目点は、長いことマイナスに抑え込んできた短期金利の上昇を認めるかどうか。いわゆるマイナス金利政策を解除するかどうかである。中国に続いて、アメリカやヨーロッパの景気も下降する可能性が大きい。そうなったときに日本が金利を引き上げることは、きわめて難しいに違いない。とすればマイナス金利の停止は、日銀にとって今回が最後のチャンスになるかもしれない。

アメリカの金利が下がるときに日本が金利を上げれば、円高が進むことはほぼ確実。企業の業績が下降し、株価も低迷するかもしれない。日銀はそれが怖ろしくて、これまでマイナス金利からの脱出が出来なかった。今回は勇気を奮って、最後のチャンスを活かせるのだろうか。決断できなければ、まだまだマイナス金利が続く。決断できれば、‟金利のある世界”への正常な第一歩を踏み出せる。

        ≪15日の日経平均 = 上げ +284.30円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】       

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