経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

物価が上がると 極右が伸びる

2022-09-29 08:00:39 | 政治
◇ イタリアで女性の‟自国優先”首相が誕生へ = イタリアの総選挙で、極右政党のFDI(イタリアの同胞)が圧勝。保守系の2党と連立して、FDI党首のジョルジャ・メローニさんが初の女性首相に選出される見通しとなった。FDIはムッソリーニの流れをくむ超保守政党。EUに対しては懐疑的な姿勢で、移民の受け入れには反対、同性愛も認めない。ロシアに対する制裁やEUの財政・金融政策に関して、波乱要因となる可能性も心配されている。

メローニ女史は1977年、ローマ生まれ。学生時代から、極右の政治活動に没頭した。しかし選挙中は、そのイメージを薄めようと努力している。またイタリアでは親EU派のマッタレッラ大統領が閣僚任命の拒否権を持っているので、政権が極右一色になる可能性は小さい。しかしメローニ内閣が‟自国優先”を主張することは必至で、イタリアでは「女トランプが出現した」と囁かれている。

前回18年の選挙では4%の得票率だったFDIが、今回は26%の票を獲得した。メローニ女史は選挙中、小規模事業者への減税・最低賃金の引き上げ・保育所の無償化・子ども手当の増額などを公約。これが選挙民の心を捉えたと考えられる。しかし、その背景には8%を超える物価高と経済の現状に対する国民の不満の鬱積があった。

ヨーロッパでは11日のスウェーデン選挙で、極右の民主党が第2党に躍進した。また6月のフランス選挙では、ルペン党首の極右政党が第3党に進出。スペインでも極右政党が票を集めた。いずれも現政権に対する批判の裏返し。その最大の原因は、インフレによる生活苦だと分析されている。物価が上がれば現政権の支持率が下がり、ポピュリズムの極右政党が勝つ。世界的な政治の法則となりつつあるようだ。

        ≪28日の日経平均 = 下げ -397.89円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 錆びた 宝刀 : 政府の為替介... | トップ | ちっちゃいなあ! 所得倍増計画 »

コメントを投稿

政治」カテゴリの最新記事