経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

‟危ない金融商品”の 季節

2023-10-28 07:40:49 | 金融
◇ 高利回りにはリスクが伴う = アメリカの長期金利が16年ぶりの高さに上昇している。10年もの国債の利回りは先週5%台に乗せた。雇用や物価などが予想以上に堅調で、FRBの引き締め政策が長続きするという見方。政府の財政支出増加で、国債発行額が急増。そして議会が空転し予算成立のメドが立たないことが、長期金利を引き上げる原因となっている。最も信用度が高い国債でさえ、年5%の金利が付かないと売れない。その他の公共債や社債の利回りが、もっと高くなるのは当然だ。この高金利時代が、‟危ない金融商品”を生み出すことになる。

企業が売り出す社債の場合、その企業の経営状態が苦しいほど高い金利を付けないと売れない。なかには10%を超える金利の社債も発行される。こうした企業がデフォルト(債務不履行)や倒産する危険性は大きいから、その社債は代表的な‟危ない金融商品”と言えるだろう。こうした高金利の債券を集めて売り出した証券が、リーマン・ショックでは紙切れになった。

アメリカでは、大銀行が定期預金に高い利子を付けている。このため最近は、日本の銀行がドル建ての定期預金を高金利で売り出し始めた。たとえば三井住友銀行は年5.3%、SBI新生銀行は6%の商品を開発している。日本の定期預金なら、年0.01%の利子しか付かない。比較してみれば、きわめて魅力的。しかもデフォルトの危険は全くない。しかし1つだけ、落し穴がある。

それは為替相場。たとえば年7%の金利が付いていても、もし円相場が10%上昇すれば、損失の方が大きくなってしまう。7%の利息が受け取れるのは1年後、そのとき円相場がどうなっているかは神のみぞ知る世界。だから銀行はその危険性をよく説明してから売るはずだ。しかし経営不振の社債とは全く異なるが、これも一種の‟危ない商品”には違いない。

        ≪27日の日経平均 = 上げ +389.91円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     

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