◇ 来年は輸送能力が4億トンも減る = 「人手が足りなーい!」という悲鳴が、多くの業界から聞こえてくる。人手不足は、日本経済が直面する最大の問題となりそうだ。大学や高校を卒業する若者たちは引っ張りダコ。有効求人倍率は1.3倍前後に張り付いている。その根底にあるのは、少子高齢化による労働人口の減少。それがコロナ禍で加速された。そのうえ来年4月からは、残業時間が法的に規制される。
働き方改革関連法に基づき、来年4月からは各業界の残業労働に対して上限が設定される。1年間の残業時間は原則360時間までだが、たとえば建設業は720時間、自動車運転業は960時間、医師は960時間まで認められた。しかし現状の残業時間はもっと長い。したがって残業が短くなるだけ、仕事量は減る。それを埋めるための人手が必要になるわけだ。これが。いわゆる‟2004年問題”である。最初に主な業界の実情をみてみよう。
まずはトラック業界。残業規制の影響で、来年の輸送能力は19年比で14.2%、4億トン分の減少となる。現在トラック運転手は84万人前後いるが、28年には28万人、30年には35%減少するという試算も。その原因は、第一に人手が集まらないこと。労働条件が厳しく、賃金も安いからだ。厚労省によると、大型トラック運転手の月当たり労働時間は平均212時間。賃金は年463万円で、全産業平均を26万円下回る。だから若者や女性が入ってこない。
その一方、仕事量は急増している。特にネット通販の拡大で、宅配の需要が増えた。20年度の宅配取扱量は47億8000万個、前年より5億個も増加している。だから1人当たりの扱い量が増えて、残業時間も増えざるをえない。ところが、そこへ残業規制。業界や各企業も対策を講じているが、‟2024年問題”の解決はきわめて難しい。
(続きは明日)
≪4日の日経平均 = 下げ -711.06円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
働き方改革関連法に基づき、来年4月からは各業界の残業労働に対して上限が設定される。1年間の残業時間は原則360時間までだが、たとえば建設業は720時間、自動車運転業は960時間、医師は960時間まで認められた。しかし現状の残業時間はもっと長い。したがって残業が短くなるだけ、仕事量は減る。それを埋めるための人手が必要になるわけだ。これが。いわゆる‟2004年問題”である。最初に主な業界の実情をみてみよう。
まずはトラック業界。残業規制の影響で、来年の輸送能力は19年比で14.2%、4億トン分の減少となる。現在トラック運転手は84万人前後いるが、28年には28万人、30年には35%減少するという試算も。その原因は、第一に人手が集まらないこと。労働条件が厳しく、賃金も安いからだ。厚労省によると、大型トラック運転手の月当たり労働時間は平均212時間。賃金は年463万円で、全産業平均を26万円下回る。だから若者や女性が入ってこない。
その一方、仕事量は急増している。特にネット通販の拡大で、宅配の需要が増えた。20年度の宅配取扱量は47億8000万個、前年より5億個も増加している。だから1人当たりの扱い量が増えて、残業時間も増えざるをえない。ところが、そこへ残業規制。業界や各企業も対策を講じているが、‟2024年問題”の解決はきわめて難しい。
(続きは明日)
≪4日の日経平均 = 下げ -711.06円≫
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