経済なんでも研究会

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エネルギー無策 (下)

2019-06-14 07:17:36 | エネルギー
◇ 触らぬ神の原子力 = 政府は原子力発電を、将来にわたっての“基幹電源”と位置付けている。にもかかわらず、エネルギー政策の責任官庁である経産省・資源エネルギー庁は、原発に対しては一貫して「触らぬ神に祟りなし」の姿勢。たしかに原発問題は、政治的にも社会的にも難しい側面を持っている。だが主管官庁がこんな姿勢だから、原子力発電の将来像はだれにも描けなくなってしまった。

東日本大震災の前、日本では54基の原発が稼働していた。その電源比率は25.1%で、全体の約4分の1を占めていた。それから現在までに20基が廃炉に。残る34基のうち、原子力規制委員会の審査に合格して再稼働しているのは9基。電源比率は3.1%に急落した。しかも規制委員会は、テロ対策の不備を理由に稼働中の9基についても停止を求める方向だという。

経産省といえども、規制委員会に圧力をかけるわけにはいかない。しかし規制委員会の動きを察知し、電力会社に早めの対策を講じるよう指導することは出来たはずだ。さらに福島原発の事故で生じた汚染土や汚染水の処理、放射性物質の最終処理など問題は山積しているが、経産省・資源エネルギー庁は何一つ積極的には行動していない。そこからは、問題を先送りする姿勢しか見えてこない。

要するに、経産省のエネルギー政策は失敗の連続。その結果、太陽光発電では①最初に参入した業者だけに大儲けさせ②企業と家庭の電気料金を高騰させ③再生可能エネルギーの普及を挫折させた。また原子力でも④見通しを真っ暗にした。このため⑤重要な電源比率の将来図を描けず⑥CO₂の排出を減らせず⑦貿易の赤字要因を温存した。白書では、これらの点に全く触れず、改善方策も示していない。やはり“世界史に残る無策”である。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -97.72円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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