経済なんでも研究会

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「ギョーザ日本一」は 虚構だ

2018-02-03 07:50:57 | 家計
◇ 経済統計が歪められている = 日経新聞は30日付けの夕刊で「ギョーザ日本一 宇都宮市が奪還」という記事を掲載した。17年の家計調査によると、宇都宮市の1世帯当たりギョーザの購入額は4258円。浜松市の3582円を抜いてトップになった。この両市は近年“ギョーザ戦争”と呼ばれるほど激しいトップ争いを演じており、市民は結果に一喜一憂。こんど抜き返した宇都宮市では、地元紙が号外を出すやら、市長が「PRになって嬉しい」とコメントするほど。

しかし、このギョーザ日本一の判定には、大きな疑問がある。総務省が実施している家計調査は、全国9000世帯に家計の収入や支出を細かく調査票に記入してもらう方式。いま全国には約5000万世帯があるから、だいたい5500世帯に1世帯の割合で調査票が配られる。とすると宇都宮市の世帯数は約21万だから、調査の対象になる世帯はせいぜい40世帯ほどだ。

そのほとんどの世帯は、ギョーザ戦争のことを知っているだろう。その結果、これらの世帯が頑張ってギョーザをたくさん買い込むことはないのだろうか。また実際に買わなくても“地元の名誉”のために、数量を水増しして記入することはないのだろうか。こんなことは指摘したくはないが、人情を考えると全く否定はできないと思う。

このニュースはNHKなども流していたから、総務省の担当者が話題作りのため意図的にリークした可能性が強い。だが、こうして報道されギョーザ戦争がますます激しくなると、家計調査という重要な経済統計にバイアスがかかってしまう。また他の品目についても、同様の戦争が起こるかもしれない。そんなことにならないうちに、関係者の自己規制を望みたいものだ。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -211.58円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗≫   


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