ベネッセハウスは1992年完成の、美術館とホテル一体の施設です。
安藤忠雄は、訪問者が
直接入り口に着くことを避け、大きな壁をつくって迂回することにより、
瀬戸内の景色を眺める時間をつくりました。
入り口で振り返っても、
木々のフレームできりとられた、すばらしい景色が用意されています。
・・年月により左の壁を覆いつくした植物たち・・
壁の白い石は、軽石のように粗くすいた感じなのですが、
なんとれっきとしたイタリアの大理石! 表面を磨いていないのだそうです。
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上の宿泊施設には、小さなトロッコで。
プライベートゾーンなので、宿泊者でないと行けないようです。
その名も オーバル (Oval:楕円)
日が差し込んでいる部屋がバー。
濃い青の所が、客室の入り口。
水を囲んで、部屋が配置されています。
オーバル屋上からの眺め
・・覆う植物たち・・
さきほどのエントランス光景も含め、
・・年月とともに自然と同化していく・・ これが、もうひとつの彼の求めるものかしら。
(でも、運営者のみなさん、メンテナンスが大変でしょうね。
植物の力はあなどれない・・。
それなのに、他のすべての施設、とてもきれいです。
快適な空間が保たれています!)
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美術館内の作品はすべて撮影禁止。
上のカフェから、ちょっと失礼。
壁にあるのは、世界中の海を取り続けている杉本博司の、
「タイム・エクスポーズド」
私にはどの海も同じ表情にみえますが、
(それでかまわないのかもしれません)
左側にもある壁に置かれた海の写真とつなげると、
=遠くの瀬戸内の海と 写真の海の水平線がつながる=
(世界と日本はつながっている)
という趣向は新鮮です。
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ポストカードから1枚だけ、失礼。
「100生きて死ね」
ブルース・ナウマン
100の電光板(die and live とかいろいろ書かれている)がひとつずつ点滅し、
7分に一度、全部点くときがあります。
機械的・無機質な流れが続いて、一瞬 すべてが点くと、
想像できなかったくらい, 「おおっ!!」 と感じます。
これが、人生最良の一瞬なのです。
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安田侃の「天秘」もありました。
ここにあるのは、かわいいのがふたつ。
昼間と夜、石の上で寝転んで、天空をみあげました。
し・あ・わ・せ
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地中美術館でも、ここでも、自然光がとても効果的です。
時刻・天気で作品がいろいろな表情をみせてくれます。
もうひとつ、サイトスペシフィックという、
作家にここに滞在してもらって、構想を練って作品を創ってもらう、
というやり方を多くとっているので、
既存の美術館にはないおもしろみが たくさんあります。
ふたつの美術館で、みたこと、感じたこと、聞いたこと、
この他にも
ほんとに たくさんありました。
直島の地中美術館にしかり、金沢の21世紀美術館にしかり、最近は東京近郊だけではなくて、アートスポットが地方にできてきていますよねっ。旅好きの私としては、旅がてらアートを満喫できたらな~、なんて思います。
金沢も元気ですね。
食べ物もおいしいだろうし、いつか入って見たいな。