#掌編 新着一覧

身を知る雨に濡れて散る花
だからわたしは径のほとりの小さな花になりましたつつましやかに咲いて揺れひそかに香る小さな花にいつの日かふとあなたの目にとまりそのしなやかな指さきでやさしく摘んでもらえたらと心

どこ吹く風
絶望 それはただの現実希望 それは単なる思い過ごし空き地に打ち捨てられた死んだ冷蔵庫の...

ふと見上げればひこうき雲
真っ青な空をよこぎるひとすじの白い線その静謐さ圧倒されるほどの美しさは絶望的ですらあり...

それでおしまい
二日ばかり降りつづいた雨があがったので朝はやく野原へでかけてみましたほんのつかのま目に...
ある隠遁者と中年女性
ある隠遁者と中年女性 隠遁して20年になる哲学者の許を中年女性がはるばる訪ねていって訊ね...

積読拾読(あの日の空気編)
『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』にはニューヨークが都市封鎖状態の時に書かれた12の物...
かけちがい
シャツのボタンをかけ違えた。 それは最近しょっちゅうあることなのに、私はいつもそれを...