#掌編 新着一覧
とり残されて
思いがけないめぐり逢い決別の予感夕暮れのうす明りはさびしく朝あけのうす闇はうら悲しい時がたつとともに薄らいでゆく輪切りのレモンの微かな残り香置き去りにされた無口なティーカップあな
結晶
さようなら お幸せにあれはあなたの生まれながらのやさしさでしたありきたりなその言葉はひ...
永遠の距離
吐息がかかるほどの距離なのにそのわずかなすき間が縮まることはありませんこれから先も永遠...
コワレモノ
心がどこにあるのか知らないけれどそこにはきっとこんなふうに書かれている〝コワレモノ取扱...
残されたもの
飲み水をかえてあげようとしたほんのわずかな隙に籠のなかの小鳥は飛び去った陽ざしのここち...
それで途方に暮れるでもなく
永遠と思えたものにもじつは限りがあってそれを知ってしまったことに悲しさを感じるかといえ...
ずっとずっと
夕陽がすっかり沈んだら小舟を浮かべてでかけましょう静かな湖面でただずっと月のあかりに照...
記憶は朽葉色に染まりやがて
日々のなにげないできごとをだいじに残しておくために折々付箋に書きとめてそっと貼りつけて...
だって虚しいだけだから
口角をあげただけでは微笑みにならないなんてことはわかってるだからなんなの愛なんてかかわ...
青すぎる空
ふと見あげればそこに青空雲ひとつない青すぎる空まるでなにごともなかったかのように青く澄...
あわいひととき
こうして唇をかさねているのはふと気づいてしまったからこうして唇をかさねているのはそれが...