#掌編 新着一覧
雨粒
雲のすき間にわずかながら光が射して空から雨の最後のひと粒が落ちてきましたその雫には世界が映りこんでいてとてもきれいなものでしたけれどそのことに気づくものなど誰もいません美は世界の細
とある初夏の日
片恋をさとられぬようぬすみ見るきみのよこ顔おどる葉もれ陽★photo:David Hamilton★ ↓↓↓ ...
三冬尽くころ
ふと目をやると残り雪の中に待雪草天使の咲かせた小さな白い花が恥じらうようにうつむいてた...
杪冬の雨
雨が降っていますみぞれまじりの雨が傘をもつ手がかじかんで少しだけ生きてることが 悲しく...
れんげの花の咲くところ
鉄路が大きく弧を描くその場所には茫洋と田畑が広がっていて春になるとあたり一面れんげの花...
夜は必ず明けるだなんて
漆黒の闇の中でひたすら息をひそめていてもまたぞろ夜は明けてしまいます希望なんてありもし...
なすすべのなさに
たえいるようなはかなげな声ふるえるまつげ ほそい肩おびえたようなまなざしをまえにどうす...
そぞろ歩き
いつかふたりで来るはずだったこの町にひとりいつかふたりで歩くはずだったこの路をひとり通...
夏の盛りはとうに過ぎて
緑滴るひとすじの小径夏空のしたゆれる陽炎とおく日傘の陰で手をふるひとさりげなく先細る時...
けしてあなたには聴こえない
声にならない心がさけぶあなたじゃなきゃいやなんですあなたじゃなきゃだめなんですどうにも...
船で去ったひとの形見として
空色の紙テープその切れ端は小さくたたんでいまもだいじにとってありますふるさとを捨てた無...