ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ 関心領域 (2023)

2024年06月14日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」

エリートではないが職務に忠実に打ち込み、家族をないがしろにすることもなく父親としても過不足ない男。平凡な家の出であろう妻は、そんな夫がもたらしてくれたプチブル的な生活に心底満足している。これは凡庸な小市民の偽らざる姿だし、私だって周りのことなど意に介さなくなると思う。

ナチスとか、収容所の所長とかではなく、私(たち)を主語にした、今の世情(テロル、紛争、環境破壊etc)に対する“無関心”への警鐘なのでしょうが、映画の語り口が(寡黙なふりをしつつも意外と饒舌で)奇をてらって見えて、リアルな警告としての素直さ、誠実さ、迫力といった切迫感に欠けてしまったように思います。

まあ、ひとまずジョナサン・グレイザーが言いたかったことは了解しました。

(6月11日/MOVIX橋本)

★★★


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■ ミッシング (2024) | トップ | ■蛇の道(2024) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」」カテゴリの最新記事