MAYUMI ART (ソプラノ長谷川眞弓 のブログ )

「歌うは愛する業なり」・・「歌に生き、愛に生き」・・「SWEET SONGS FOR LIFE」・・「優しい歌」

悲しくなった時は

2007年01月25日 23時34分15秒 | つれづれぐさ
悲しくなった時は海を見にゆく

古本屋の帰りも海を見にゆく

あなたが病気なら海を見にゆく

こころ貧しい朝も海を見にゆく

ああ 海よ 大きな肩と広い胸よ

おまえはもっと悲しい

おまえの悲しみに

わたしの生活(くらし)は洗われる

どんなつらい朝も どんなむごい夜も いつかは終る

人生はいつか終わるが 海だけは 終らないのだ

悲しくなった時は 海を見にゆく

一人ぼっちの夜も 海を見にゆく

(寺山修司)


悲しい時は黙々とただ土をいじって、春の花を植える。
ビオラ、デイジー、マーガレット、アリッサム・・・
悲しい冬の花壇を耕して、選んできたたくさんの苗を植える。

夫はすっかり変わった花壇に、コンテナーに、全然気がつかない。
靴を花壇のふちにかけて紐を結んでいても。

木の匙、という結婚した夫婦の微妙な心の距離を描いている詩を中田喜直が作曲して、バリトンと、ソプラノが歌う。この悲しくなった時は、は、とてもメロディーが自然で美しい、妻の歌。
妻はいつも悲しいのでしょうか。