ゆるり空間事変

そう、自分の影がすこし大きく なりすぎたから

私たちが好きだったこと

2005-04-30 00:24:31 | kattenisiyagare
昨日と今日は割かし暇だったので宮本輝さんの「私たちが好きだったこと」と「避暑地の猫」を読んだ。
氏の作品は恥ずかしながら読み始めたのが最近なのだが、とてもおもしろい。
物語にすっと溶け込め、そしてなかなか出てこれない。短編などもすばらしいものが多く、驚くほど映像を喚起するものなどがあるからたまらない。
ちなみに、昨日の夜10時から朝6時までで「私たち~」を読み、今日の昼3時から10時までで「避暑地の~」を読んだ。読み始めると止まらない。半分中毒状態である。
こんな天気のいい日にこんな生活を送ると、僕はなんだか自分が悪いことをしているような気になってくるのであった(笑)

メランコリック・水曜日

2005-04-27 18:40:27 | 青春狂走曲
学校の課題でここ3日程まともに寝ていない。
設計課題で小さな空間を設計するというものなのだが、何しろエスキス(講師との相談のようなもの)から提出までのスパンが5日しかなく、しかも課題を進めるのに貴重な日曜日は課外講座で美術館見学。それはそれでいいのだが、やはり後になって課題にしわ寄せが来るのだ。
実際、賞味3日位でA1プレゼンボードしあげ、周囲の建物も含む結構大きな模型を仕上げる。
そりゃ、布団の中でぬくぬくと寝た記憶が今週に入ってないわけである。
家で眠気と胃痛と戦いながら欠落した時間の感覚で課題をやり、気付くとすずめがちゅんちゅんとさえずり、外が明るくなっていたときのあのせつなさ。
そんなことがついさっきまで起きていたのかと思うと吐き気さえ催してくる(笑)
好きなことを追求することって大変なんですね。

そんなことを思った メランコリック・3days

村上春樹と二十代前半の空気

2005-04-25 19:36:53 | kattenisiyagare
村上龍の小説を高校のときによく読んでいた僕は、書店で隣に並ぶ村上春樹という作家を、気になりながらも、黙殺していた。なんだかタイトルからして自分に合わない気がしたから。
しかしやはり心のどこかで引っかかっていて、読む小説がなくなったころ僕は始めて彼の作品を手に取った。
確か、それは「ノルウェイの森」だった。
そのとき読んだ感想はまずまずというところだった。
しかし、そのあと半年くらい経ったころになって、急にまたノルウェイの森が読みたくなってきたのだ。それは知らぬ間に体の中で増幅していた。そういった感じになるのは初めてのことだった。
そこから村上春樹の世界に引き込まれてゆくのに、時間はかからなかった。
彼の作品から僕は、とても鮮明な「学生の空気」みたいなものを感じる。その作品の舞台が、学生時代であってもなくてもだ。
彼の作品を読んだのは高校生のときだったが、大学生という二十代前半くらいの微妙な時期の空気をどんなものより感じ取ることができた。
大学生になった今思うのだが、その空気は、僕の目の前のリアルな空気よりリアルなのだ。うまくいえないのだが。
そして僕は学生であるのにも関わらず、学生の空気のにおいが無性に懐かしくなり、彼の作品をまた読み返すのだ。

demi ee17と生活 

2005-04-24 22:16:05 | my favorite things
私はdemi ee17というとても古いカメラを使っている。おじいちゃんから譲り受けたものだ。
そのせいでカメラ好きになりあとになってnikonの一眼を手に入れたりしたが、やはりデミのほうを使ってしまう。
レトロな感じで、デザインがとてもかわいく、レンズが今のカメラの精密な描写とはちょっと違い、どこかとぼけていて、かつ毒々しかったりする。またハーフカメラなのでフィルムを二倍使えるという点も、何も考えずにパシャパシャとれてよいのである。
カメラを始めて、とても新鮮なことは、いつもよりちょっとだけ自分を取り巻くものが違って見えるという点だ。天気のいい日にカメラを抱えて散歩に出かけたり、道端に咲く花に目が行くようになったり、景色や、それを構成する色に敏感になったり・・
そうやって僕の生活はデミ君によってちょっとだけ彩られたのでした。

熱い濃いコーヒー

2005-04-23 22:30:39 | 青春狂走曲
一人暮らしを始めてから、ことさらコーヒーを飲むことが多くなった。
以前から好んで飲んではいたのだが、現在は中毒的に飲んでいる。
それはサニーデイサービスの‘青春狂走曲’での

‘覚えてない夢のせいで心が 何メートルか沈みこむんだ

熱いコーヒーを飲みたいんだ’

という短いフレーズのせい。
なぜだかこの曲を聴くと、むしょうにコーヒーが飲みたくなってしまうのだ。そうこうしているうちに、いつの間にか僕はコーヒーにハマっていた。
今では、学校のコーヒーが不味いから、家に帰って自分で淹れようか・・と本気で迷うくらい重度患者なのである。
ちなみにサニーデイサービスのbestskyというべストアルバムはとてもお薦めです。
ベスト盤はあまり期待できないものが多かったりしますが、これはとてもいいです。
「若者たち」という曲は最高です。というかこれに収録されているものはみんな名曲ぞろい。
もちろん「青春協走曲」も入っています。サニーデイを聴いたことがない人はぜひ!

ロックフェス狂想曲

2005-04-21 23:09:08 | my favorite things
今年も夏の野外ロックフェスの出演アーティストが続々と発表されている。
あっちへ行こうかこっちへ行こうか、内容を見たりしながらちょっと幸せな感じで迷いを楽しむ。フェス好きの僕としては落ち着かない日々なのである。他人が見たらちょっとかわいそうな子に見えなくもないかもしれない(笑)
それはさておいて、実は私はそんなに気になっているくせにフジロックに行ったことがないのだ。
サマソニも、ロックインジャパンも、若かりしころにはエアージャムまで行ったというのに。
高校のときは「お金がかかりすぎるから大学になったら行こうよ」と友だちと夢を膨らませていたのに、大学に入学した去年も行ってないのだ。
確かに去年の参加アーティストは僕が夢を膨らませていた過去のものより、個人的趣味において見劣りをしていた。
しかし、今考えると、ルー・リードやらなんやら、やっぱり見ておけばよかったと後悔する始末。
やっぱりロックフェスは出演者でギャーギャー騒ぐ前に、参加してなんぼなのかもしれない。
とくに、時間を持て余す大学生というこの状況下においては。
とにかく狙いはフジ。日本にいるならこれしかない。
ほかのフェスはアーティストどうこうを離れて冷静な目でみるとやはりちょっとだけいろいろな面で劣るのだ。もちろん人それぞれの好みの問題だけど。
今年はお金と体力を貯めて行っちゃうもんねフジロック。待ってなさい。

ちなみに写真はご存知カート・コバーン。文とは関係ありませんが。


一人暮らしについて

2005-04-20 17:25:22 | 青春狂走曲
一人暮らしを始めて二年目になろうとしている。
最初は色々と不安なんかもあったものなのだが、意外と何とかなるものである。
洗濯とか皿洗いとか面倒なことも多いのだが、その分利点もある。
例えば、一人で何かに没頭することができる。音楽を聴いたり、映画を見たり、本を読んだり、物思いにふけったり・・何せ学校や用事がない限りは時間はうなるほどあるのだ。文句を言う人もいない。逆に考えればいくらでも怠惰な生活を送ることに陥る危険性だって十分はらんでいるのだ。
でも有意義に自分だけの時間を作っているときはとても幸せな気持ちになる。今しかできないとても贅沢だけど大切な時間。
いろいろなものに感謝感謝。
ただ、たまに実家にいる愛犬に無性に会いたくなる病気が発生するのがつらいのです。

最近のブックハントについて

2005-04-20 00:14:53 | my favorite things
今日は学校が終わってから友達と晩御飯を食べに行き、帰りに家の近くの大手の古本屋による。
楽しい本はないのかな?とわくわくしながら探すけれど、やはりそれなりに楽しそうな本や自分の狙っている本というのはなかなかない。
村上龍と春樹はほぼすべて読んでいるので彼らを作家別で探しても読んだことのある作品ばかりで意味がない。当たり前のことだと分かっているけれど、彼らの作品を読み始めたときに覚えた古本屋での村上探しのあの宝探しのような感覚を懐かしく思う。
また、建築の本というやつが一般の古本屋ではなかなかお目にかかれない。
だから結局途方に暮れてしまい、妥協したり題名の気に入ったりしたやつをなんとなく購入するのです。
でもその中にたまにほんとにぶっ飛ぶものがあったりするから、やはりこのだらだら読書生活はやめられないのである。

僕を取り巻く音楽とレディオヘッド

2005-04-19 23:48:54 | 青春狂走曲
僕が始めて洋楽というものを体験したのは、中学二年生のときだ。
当時の担任にギターを始めたといったら、頭のちょっとXXな彼は年端もいかない中学生に洋楽を、それも60’と70’を聴きなさい、と極道なことを教えてくれた。
そして2000年を間近に世間は急ぎ足で未来化しているという中、14歳の何も知らない僕はジミヘンのBBCセッションなるへビィな代物を聴いたのだ。
子供の僕には難解ではあったけれど、当時のヒリヒリした雰囲気が空気に伝染して部屋の中を満たすのを少なくとも感じることが出来た。そんなことは今まで経験したことがなかった。
そして僕の中で何かが変わった。
僕は可能な限り、ロックを聴くようになった。あの空気感が何であるのか、言葉が分からない音楽がなんでこんなにかっこいいのか知りたかった。
ボブディランから最近のものまで色々聴いた。
そして次第に自分の中でそれらに対する物足りない感じが生まれていることに気がついた。あるいはただ音楽スノッブになっていただけかもしれない。
高校2年生のとき。
そんなときに僕はレディオヘッドのKID Aというアルバムにあったのだ。
そこには固定概念も過去の栄光にすがる姿も存在しなかった。ただ、もがきながら新しいことをしようとする姿勢があった。
ラバーで包まれたような電子音、心地よいループ、音の洪水。
それは音楽が終わった後に生まれた音楽だった。
僕は必死でそれにすがり、長い時間きいた。
そしてその後に残ったのは広い視野だった。
ロックは以前より輝いて見えたし、たとえばジャズやクラシックやテクノ、ハウス、エレクトロニカまで、聴かず嫌いをやめて、色々聴くようなった。
そうするとその中には様々な新しいものがあって、様々な発見があった。
それは僕にとって、とても貴重な体験だった。
今の自分にとても大きな影響を受けている。
ありがとうレディオヘッド。

4月18日のバラード

2005-04-18 18:26:33 | 青春狂走曲
今日の学校の帰り道は、サニーデイサービスの4月18日のバラードを聞きながら帰った。小雨まじりだったけど、夕日が淡くてきれいで曲とよくあって最高!今日は何人の人がこの曲を聴くのでしょう・・
こんな風に生活を少しでも彩ってくれるものがとても好きです。カメラを始めて天気のいい日にどこかへ散歩へ行くようになったり、花が好きになったり、建築に興味をもってから何気ない建物が気になるようになったり・・そういう自分の視点を広げてくれるものを大切にしたいし、もっと見つけていきたいと思う今日この頃です。