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ぽんぽこタヌキの独り言 Solilokui dari Rakun Pompoko

日本を見て、アジアを見て、世界を見て、徒然なるままに書き記す、取るに足らない心の呟き

「リベロ」と「ボランチ」

2011年09月07日 06時42分22秒 | Weblog
以前、大相撲の国際化ということで、日本相撲協会における外国人力士数の増加とその台頭という側面を取り上げたけれど、ルールという側面でみれば、際立った変更もないし、「神事」に纏わる神前興行をルーツとする日本の伝統を堅持しており、依然として、土俵上の「女人禁制」を貫いている。スポーツとしての「女相撲」というものも生まれているが、少なくとも日本相撲協会主催の相撲については、女性の参入を許していない。一方、今回はスポーツの国際化を「ルール」の変化に着目する。バレーボールの場合、6人制と9人制があって、6人制は得点が入るごとに各選手の守備位置が変わるローテーション制となっていることに変更はない。しかし、以前はサービス(サーブ)は一度ミスしても、得点は入らず、2度サーブ・ミスすると相手方に得点が入リ、サーブ権が移動するというルールであり、15点マッチであったと思う。テニスでは現在でも、2度のサーブ・ミスで相手方に得点が入リ、サーブ権が移動するという同様のルールとなっている。ところが現在では、「スピード・バレー」という名のもとに、1度のサーブ・ミスで相手方に得点が入って、サーブ権が移動するルールとなり、得点も25点マッチに変更されている。それと併せて新しく導入された制度が「リベロ」制度である。語義は自由というポルトガル語であるが、実はレシーブためのキーマン的ポジションであり、前衛での攻撃、すなわちスパイクやアタックができないという制限も課されている。語義は「自由」でも決して自由なポジションではないのである。この「リベロ」制、バレーボールの発祥は1895年、アメリカ合衆国であり1964年の「東京オリンピック」で初めてオリンピック競技として採用されたものである。従って、当然ながら、当時の基本的なルール用語がすべて英語であるから、この新しい制度(ルール)は、中南米あたりで生まれたルールなのではないかと推察されるのである。同様の言葉がサッカーにもある。サッカーはイギリスをルーツにするスポーツであり、「フォワード」とか「ミッド・フィルダ―」「ディフェンス」とか「センターバック」とかほとんど英語で名付けられているポジションの中に「ボランチ」というポジションが存在する。このポジションがいつ頃から役割として存在するのかは分からないけれど、実はこれもポルトガル語であり、自動車などの「ハンドル」とか「舵取り」とかいう意味で、攻守の切り替えや試合全体の流れをコントロールする役割である。バレーボールでいえば「セッター」(これは英語)みたいなものだろう。サッカーも現在は欧米諸国だけでなく、中南米諸国、中東、北朝鮮などにおいても「国技」あるいは「国技に準ずるスポーツ」という地位を築くに至っており、この「ボランチ」という言葉は、おそらくブラジルあたりで生まれたポジション名ではないかと推察されるのである。そして、前稿の「カチューシャ」と異なり、この2つの言葉はまさに国際化の流れの中で発生した言葉なので、間違いなく、海外のどこにおいても通用するしっかりとした国際語なのである。

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