今日昼前に渋谷駅を通りかかって、モアイ像側に抜ける駅構内を歩いていると、雑踏に混じって、大きな声が聞こえてきました。
どなっているわけでもなく、落ち着いた、整然とした声。
ああ、そうだった、と思い出す。
この時期になると『あしなが育英会』の募金活動が行われていること。
いつもは何人かの若者が集団で立っているのに、
今日はたった一人、大学生くらいの青年が立っていました。
ひとりって、めずらしい。
近づいていくにつれて、声がことばとなって、意味をもって耳に届いてくる。
これまで、基金のおかげで進学ができたこと、たすけられたこと。
そんなことを語りながら、青年は一呼吸おいて、はっきりとした大きな声で
「ありがとうございます」と言って、一礼をした。
渋谷駅の、人が忙しく行きかう中、
ほとんど誰も気に留めてないであろう、その状況の中で、
誰にあてるわけでもなく、今までの感謝の想いを、きっぱりと言い切る。
「ありがとうございます」と青年が放ったことばは宙に浮いて、
やがて雑踏に吸い込まれたとしても。
そのときの私にはどんな音よりも力強く、一瞬その場がそのことばだけに
なったようにさえ思えたのです。
あんな「ありがとうございます」を聞いたのは、はじめて。
きっと、忘れられない。
どなっているわけでもなく、落ち着いた、整然とした声。
ああ、そうだった、と思い出す。
この時期になると『あしなが育英会』の募金活動が行われていること。
いつもは何人かの若者が集団で立っているのに、
今日はたった一人、大学生くらいの青年が立っていました。
ひとりって、めずらしい。
近づいていくにつれて、声がことばとなって、意味をもって耳に届いてくる。
これまで、基金のおかげで進学ができたこと、たすけられたこと。
そんなことを語りながら、青年は一呼吸おいて、はっきりとした大きな声で
「ありがとうございます」と言って、一礼をした。
渋谷駅の、人が忙しく行きかう中、
ほとんど誰も気に留めてないであろう、その状況の中で、
誰にあてるわけでもなく、今までの感謝の想いを、きっぱりと言い切る。
「ありがとうございます」と青年が放ったことばは宙に浮いて、
やがて雑踏に吸い込まれたとしても。
そのときの私にはどんな音よりも力強く、一瞬その場がそのことばだけに
なったようにさえ思えたのです。
あんな「ありがとうございます」を聞いたのは、はじめて。
きっと、忘れられない。