小説「ビデオ屋ヒデキ」その３

そこから、友人の友人の知人だとか
ますます、わけのわからない連中がやってくるように
なってきた。
そのなかにいかにも胡散臭そうな目立つニイちゃんがいて
そいつは自分では
〝なんとかかんとかクリエ～タ～”とか言ってた。
詳しいことは忘れた。

そこで短編映画でも作って〝動画投稿サイト”にでも
送るかという話になった。
が、ネタというかテーマがまとまらなかったり
撮った映像をどう編集するかでもめたり
UPしたらボロクソにコメントされたらという
余計な心配したりで結局
おれたちがダベっているだけの様子の
映像をUP（アップ）して
世界中に恥さらし（再生回数は自分らが見て上げただけ）
なことをしてしまった。

でも、それだけのことでも、おれにとってはな～んか楽しかった
気がする。
う～む、おれってこういうのに飢えていたというか・・・。
こういうのが青春と思ってしまったみたいな。

小説「ビデオ屋ヒデキ」その２

そうは言っても、インターネットで動画なんかが
いくらでも見られるこの時代にビデオ屋にこだわるのは
時代遅れなのかもしれぬ。
そこを察知してか兄貴もビデオ屋を辞めると言い出した。
するとおれはそれを待っていたかのように
「おれが跡を継ぐから、兄貴は引っ込むか、しろ！」とか言ったら
本当に兄貴が引きこもりになっちまった。
トホホホホホホホホ。
とは言え今度はおれを今の今まで食わせてくれた
ビデオ屋に、家族に恩返ししないとな。

なんてことを考えていたが、
おれが継ぐとなったら、数少ないはずだった友人たちが
寄り集まってきて
そいつらにビデオ屋を占拠されたみたいに
なってきた。

マンガを読むこと。

以前はマンガの単行本をたくさん持っていましたが、
今は収入の加減と場所をとるので、
最小限しか、買ってません。

今、集めているのは
荒川弘さんの「銀の匙SilverSpoon」です。
そういえば、アニメ化されるそうですが・・・。
期待していいのかなあ。
同じ作者さんでも〝ハガレン”とちょっと違うしな。

あと、最近買ってまだ読みかけのマンガがあります。
乃木坂太郎さんの「幽麗塔」というものです。
昔の〝探偵小説”のテイストをうまくマンガにした感じです。
はっきりいってエグかったり怖いところがあるので
オススメ出来かねます。でも、そう思いつつ読んでます。

また、読んだマンガの感想など書きたいです。

昨日の雪。

写真は昨日の朝の様子です。
今はだいぶ、とけています。
でも、いてついているところも
あるそうなので、みなさんの
地域は、どうか分からないですが
お気をつけて。

小説「ビデオ屋ヒデキ」その１

おれは今でこそビデオ屋をしているが
これでも、れっきとした・・・。
ニートだったんだ。
って威張れないよな。



おれは長い長～い引きこもり生活にオサラバして
やっとこさ職に就いた。
と言っても家業？であるビデオ屋を手伝っている
だけだと言ったらいいのか。
おれのオヤジがビデオ屋を始めたのはいつの頃だったろうか。
子供の頃のおれはAVのコーナーにばっかり
行っては怒られていた。
しかし、オヤジが倒れてからというもの
オフクロと兄貴が交代で
店番をするようになったのだが
そのオフクロも年寄る波には勝てず
兄貴に代を譲った。
そこでおれはどれだけ自分の店以外の
ビデオなんかも見て、いかに詳しいか張り合い、
兄貴とそういう不毛？な論争をして、引きこもってしまった。