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お気に入りblah-blah-blah

個人的にブームなもの,これお薦め!って思ったモノ・コトについてつらつらと。

「壬生義士伝」 浅田次郎著

2004年11月26日 15時35分08秒 | 読書
「蒼穹の昴」に続き,また浅田次郎作品です。
話題になっていた時期に何となく読み損なってしまった「壬生義士伝」を,今頃になってやっと読みました。
「蒼穹~」もとてもよかったけど,この「壬生義士伝」もいい!!
私の中で,甲乙付けがたいです。が,泣けちゃうという意味では「壬生義士伝」の方が上かな。
武士道なんてよくわからないけど,家族のために戦い,死んでいった1人の男の生き様が胸を打ちました。
電車の中で読んでいて,何度「いけない。このまま読んだら本当に泣いてしまう。」と思って中断したことか。。。。
これは外で読んではいけない作品でした。特に下巻はずっと涙。浅田作品は泣かせるものが多いですね。
この浅田節が鼻につくという人もいるかもしれませんが,私は好きです!

また,新撰組といえば,近藤,土方,沖田,芹沢ぐらいしか知らなかった私には,
吉村貫一郎にスポットをあてた新撰組の解釈はとても新鮮でした。

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

「蒼穹の昴」 浅田次郎著

2004年11月15日 17時45分34秒 | 読書
浅田次郎作品は,「鉄道員」や「プリズンホテル」ぐらいしか読んでなかった私ですが
そのことを友達に言ったら,「蒼穹の昴」を読まずして浅田次郎を語ることなかれ!と言われてしまいました。
ちょうど文庫が出たことだし,遅ればせながら購入しました。

「蒼穹の昴」は中国最後の王朝,清を舞台にしたお話です。
世界史で出てきた宦官や科挙について実に詳しく書いてあり,そのあたりの仕組みが歴史とても興味深かったです。
かの悪名高き西太后も,一般的な解釈とかなり違って,時代に翻弄された慈愛に満ちた女傑として描かれてます。
乞食同然の主人公春児(チュンル)が,「汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさむるであろう―。」という占い師の予言を信じて(本当は春児に生きる希望を与えたい占い師のやさしい嘘で,春児も実はそれを知っていたんですけどね←ええ話や。),宦官となり,西太后の寵愛を受けるまでに成り上がる様は読んでいても気持ちが良いです。
結局,最後に西太后から授かった小さな金剛石が運命を自ら切りひらいた者だけが手にすることができる蒼穹の昴だった・・・っていうラストは泣けます。
あと,政変の影で散っていった進士たちには,胸がじーんと熱くなりましたねー。電車の中にも係わらず,涙しそうになりました。

友達が絶賛していた意味がよくわかりました。傑作だと思います。
読めば勇気が沸いてくる感動巨編という帯のうたい文句通り。
文庫で4冊(しかも決して薄くはない!)あるのですが,読み始めるとぐいぐいひき込まれていき,あっという間でした。

中国の歴史をもう一度勉強してみたくなりました。(っていうか,試験で詰め込んだのは学んだうちに入りませんね。)
ダヴィンチ・コードを読んだときはフランスに行きたくなったし,私ってばなんて単純。

プリズンホテルのイメージが強かったので,こういう作品もあるのかと驚きました。
浅田次郎という作家の幅の広さはすごいですねー。
次はこれまた名作といわれる「壬生義士伝」を読みたいな。

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

「嫌われ松子の一生」 山田宗樹著

2004年11月02日 10時04分38秒 | 読書
かなりのペースで本を読み漁ってます。
通勤電車の中で往復1時間半ぐらい,毎日読んでると月に5冊ぐらいは軽く読めちゃいますね。
こうなると,書籍代が馬鹿にならないんです。
つい,安い文庫本からチョイスする癖が・・・
世の中で流行っている新刊の時期を逃しがちな今日この頃デス。
今回読んだ「嫌われ松子の一生」も廉価版。

重松清氏の絶賛メッセージがついた帯に惹かれての購入です。
あと,タイトルがすごいインパクとありますよね。嫌われ松子って・・・。

松子というひとりの女性の転落人生を,
松子の死で初めてその存在を知った彼女の甥が調べていくというお話です。

元々は教師というまっとうな立場だった松子が,あれよあれよという間に転落していう姿は,痛ましいです。
一度狂った歯車はもう元には戻らないのですかねー。

ずばり,松子はいわゆる“だめんずうぉーかー”です。
好きになった男たちに,殴られ,トルコ嬢(←そういう時代の話)にされ,
麻薬中毒にされ,裏切られ,殺人まで犯すことになり服役,そして,最後はリンチ殺人の被害者に・・・。
どこまで不運なの?どこまで要領悪いの?って歯痒くなりました。

救いは,伯母松子の一生を追ううちに,成長していく笙の存在でしょうか。

引き込まれて一気に読めましたが,何とも哀しいお話でした。
なので,あまり人にすすめたりし難い作品です。

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

「あかね空」 山本一力著

2004年10月27日 11時21分14秒 | 読書
山本一力さんの直木賞受賞作「あかね空」の文庫本が出たということで,早速購入しました。
で,通勤電車の中で4日間かけて,読み終えました!

時代ものってちょっと苦手と思っていましたが,これはとっても良かった。
江戸時代に深川で豆腐屋を営む一家の2代にわたるお話です。
家族っていいよねーという静かな感動があり,ラスト近くは電車の中にも関わらず
胸が熱くなりました。朝っぱらから電車で涙ぐむOLってどうだろ。

永吉(主人公)の作るお豆腐,食べてみたいよ~っ。
そう思わせるすばらしい描写でした。

中盤からのおふみの長男への理不尽な肩入れには,ほんとイライラが募りましたが
それも最後には解消され,読後感は爽やかでした。

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。