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お気に入りblah-blah-blah

個人的にブームなもの,これお薦め!って思ったモノ・コトについてつらつらと。

「終末のフール」伊坂幸太郎著

2006年04月09日 19時59分24秒 | 読書
あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。
2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。
出版社・著者からの内容紹介より

伊坂作品はだいたい全部読んでる私。
今回も特に内容を確認せず、即買いでした。
連作短編って、通勤電車で細切れの読書時間しか確保できない私には、
うれしいつくりだわーぐらいは思いましたが。

しかし、小惑星が衝突して地球滅亡とは、いかにもな設定。読み始めて正直どうなの?
と思いました。
が、これが、いかにもお涙頂戴的な力のはいったものがたりだったら
興ざめでしたが、テーマの重さと比べて、淡々とした穏やかな展開がいい。
非現実的な設定の中にも、それでむしろリアリティを感じることができました。

あと3年で地球滅亡ってことになったら、自分はどうするだろう
なんてことを考えながら読むと面白いですね。
太るのを気にしないで、好きなものを好きなだけ食べるわ!とか。←ああ、なんと発想がが貧困なことか。
でもやっぱり好きな人と残された時間をできるだけ共有して、
毎日を大切に生きたいなあ。なんて。

読後感もいいし、読みやすいので、特に伊坂作品のファンでなくてもおすすめです。

「包帯クラブ」 天童荒太著

2006年03月05日 22時26分04秒 | 読書
天童荒太さんの久々の書き下ろし作品「包帯クラブ」を読みました。

「永遠の仔」や「家族狩り」みたいな重~いを想像してたら、今回のはちょっと違いました。
まあ、テーマ自体は重いといえるのかもしれませんが。

心の傷や痛みを、その対象に包帯を巻くことで癒す・・・すごくユニークな発想ですね。
そんなので心が軽くなるかしら、と思いつつも、効果があるなら素敵だなと思いました。
高校生ぐらいのまだピュアな部分がたくさん残ってる心なら、効果が高いのかも。
大人になると、そんなのムダだーなんて最初っから退けちゃいがちですからね。

これまでの作品と比べると、短いですし、読みやすいです。
天童荒太作品の入門にはちょうど良いかも。
ただ、私は「永遠の仔」クラスのずっしり重い作品をそろそろ読みたいです。
どっぷりハマりたいぃ。

「扉は閉ざされたまま」 石持浅海著

2006年02月11日 19時20分52秒 | 読書
「このミステリーがすごい2位」という帯に惹かれての購入です。
ほんと、こういう文句に弱い私。

結論からいうと、さすがにこのミス2位。面白かったです。

ただ、殺人の動機がどうにも理解できない。それがちょっと残念でした。
それで人を(しかも友人)殺す???って、そこが不可解でした。

扉を開けるのをそこまでためらう?
つべこべ言ってないでさっさとドア壊してでも開けちゃえばいいじゃん!って何度も思いました。
現実に友達が中で倒れてるかもって思ったら、貴重なドアだから壊せないなんてこと言わず、
どんな方法とっても開けるだろうに。
・・・とイライラしちゃいましたけど、それを言ってはミステリーは読めませんね。

「ガール」 奥田英朗著

2006年01月24日 23時41分11秒 | 読書
30代。OL。文句ある?さ、いっちょ真面目に働きますか。
キュートで強い、肚の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。
<こんなお心あたりのある方に、よく効きます。>
●職場でナメられてる、と感じた
●親に結婚を急かされた
●若い後輩の肌つやに見とれた
●仕事で思わずたんかをきった
●ひとめぼれをした
●子どもの寝顔を見て、頑張ろうと思った
きっとみんな焦ってるし、人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても。

~出版社内容紹介より

ずばり、身につまされすぎ・・・ 心当たりありありです

めちゃめちゃジャストミートな状態な私には、とても面白かったです。
著者の奥田英朗さんは男性なのに、なんでこんなに女性の心理に詳しいんでしょう。
ものすごくリアルでびっくりです。 共感しまくり~。

「容疑者Xの献身」 東野圭吾著

2006年01月17日 22時25分47秒 | 読書
「容疑者Xの献身」を読みました。

数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。
湯川は果たして真実に迫れるか

-出版社からの内容紹介より-

これって一応湯川シリーズ(湯川教授&草薙刑事コンビもの)の第3作目なのですね。
私は1,2作目をまだ読んでいません。
・・・が、シリーズとはいえ、いきなりこれを読んでも全然問題なしです。

この本、涙腺弱い人は電車とかで読まないほうがいいと思います。
ジーンときて、涙がこみあげそうになっちゃう恐れあり。

中盤までは比較的たんたんと進む感じですが、終盤がヤバイ
そんな献身的な愛、ないない!って思いながらも、心打たれちゃいました。
ああいう報われないのに健気ってのに弱いんです。
そして、湯川教授と石神の関係、湯川教授と草薙刑事との関係もいい。

ただ、終盤だけでうまく持ってってる感も否めないかなあ。
そこに至るまでが間延びしてるというか・・・。
クライマックスに至るまでは淡々と話が続く感じがするので。
もっと短くまとまっててもいいのかも。 

まあ、でも、終わり良ければ全て良しってことで。

シリーズの他の2作も読んでみたくなりました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらあら。この作品、直木賞受賞ですって。

やっぱりねー。(←って、私そこまで絶賛はしてなかったか。センスなし?

もっと短いほうがいいだなんて、直木賞受賞作に恐れ多い発言。。。

「魔王」 伊坂幸太郎著

2005年11月20日 22時32分13秒 | 読書
なんだかこれまでの作品とちょっと違う・・・そんな感想です。

伊坂氏いわく、「自分の読んだことのない小説が読みたい。そんな気持ちで書きました」
とのこと。確かに!これまでにないものだという感想です。

内容説明
人々の心をわし掴みにする若き政治家が、日本に選択を迫る時、長い考察の果てに、兄は答えを導き出し、弟の直観と呼応する…。未来にあるのは青空なのか、荒野なのか。世の中の流れに立ち向かおうとした、兄弟の物語。
(bk1より引用)

著者の言うとおり、確かに斬新さを感じました。これまでの伊坂作品とは違いましたねえ。

ただ、「オーデュポンの祈り」「重力ピエロ」「ラッシュライフ」「陽気なギャングが地球を回す」
なんかと比べると、ちょっと物足りないかなあ・・・。 好みの問題かしら。 

あと、首相の名前が犬養って・・・うーん。首相で犬養とくれば、毅でしょうに。
わざわざこの苗字を使うってのは、何か狙いがあるのかなぁ。

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

また、次の作品に期待

「99%の誘拐」 岡嶋二人著 

2005年09月18日 20時01分41秒 | 読書
最近、仕事が忙しくて睡眠が十分にとれていないせいか、電車で本を読むことがなかなかできません。
すぐに眠くなっちゃうんですよね~

ミステリーならいいかなーと思い、選んだのが岡嶋二人さんの「99%の誘拐」(文庫)です。

「この文庫がすごい!2005年版 第1位」という帯の文言を信じて。

緊迫度MAXIMUM(マキシマム)!空前絶後の完全犯罪
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第10回吉川英治文学新人賞受賞作!
 ~出版社の内容紹介より

買ってから気が付いたのですが、この作品1990年に発表されたものなんですね。
その割には、当時のハイテクを駆使したトリックも、それほど古臭さを感じませんでした。
トリックには、少々強引な部分もありましたが
・・・そんな上手くはいかないでしょー!と突っ込みいれつつも、楽しめました。

海外にいながらにして、日本で誘拐事件を起こすというアイディアが斬新で
よかったです。

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

「死神の精度」 伊坂 幸太郎 著

2005年07月26日 20時11分39秒 | 読書
伊坂 幸太郎さんの「死神の精度」
タイトル面白い!と思って即買いです。表紙の装丁もお洒落で目を引いたし。

主人公は死神です。1週間後に死ぬことがほぼ決まっている人間と会い、
その人の死を「可」とするか「見送り」とするかを調査、決定するという6つのお話。

面白かったです  一気に読めました。

死を扱っていながら、重かったり、暗かったりし過ぎず、クールで洒落た感じ。
それでいて、決して薄っぺらくはない  ・・・と思いました。

ミュージック好きの死神って・・・なんかカワイイ

私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

「君たちに明日はない」 垣根涼介著

2005年06月09日 17時50分40秒 | 読書
やなタイトルですねえ。「君たちに明日はない」どこかで聞いたような。
たしか「俺たちに明日はない」って古いハリウッド映画がありましたね。

~出版社 / 著者からの内容紹介引用~
リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、中年男には殴られる。はっきり言ってエグイ仕事だ。それでもやりがいはあるし、心も身体も相性バッチリの恋人もいる。そして明日は……? 笑って唸って泣かされる、恋と仕事の傑作エンタテインメント!


わー。リストラってこういう風にして行われるんだー。う,こわい。
首きりを外の専門の会社に委託するなんてことがあるんだなあ。知らなかった。
ストレートに辞めてとは言わず,何度も面接をして,相手に退社を促すそのやり方がリアルだわ。

自分に置き換え,考えさせられることも少なくありません。
私は「絶対辞めませんから!」って会社にしがみついたり出来ないだろうなあ。
「こんな会社,こっちから辞めてやるぅぅぅ」とか啖呵きって,後で困りそう。

リストラ(仕事)とリストラ対象だった陽子との恋愛(←そんなのアリ!?),
バランス良く構成されていて,飽きずに読めました。

時折出てくるラブシーンは何だか唐突ではありましたが・・・。
無理して入れなくても・・・って思いました。しかも描写もびみょー。

ちなみに,この作品,本年度の山本周五郎を受賞したそうです。へえ~。

垣根涼介さんの作品はこれが初めてでした。読みやすいし,嫌いじゃない。
でもメチャメチャ惹きつけられるものがあるかというと,うーん・・・
この1冊じゃ判断できないなあ。でももっと読んでみたいと思ったのは確か。
同氏の「ワイルド・ソウル」が良いとの評判なので,さっそく読んでみなくっちゃ。


「君たちに明日はない」
私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。

「疾走」 重松清著

2005年06月06日 15時29分05秒 | 読書
重松清氏の「疾走」,評判だったので,気になっていたんですよね~。
やっと文庫化されたので,購入して読みました。
重松氏の作品を読むのはこれで2作目です。

まず,これが「流星ワゴン」と同じ著者の作品だということにびっくりです。
全然違うじゃーん。

一家離散、いじめ、暴力、セックス、殺人…。想像を絶する孤独の中、ただ他人(ひと)とつながりたい…それだけを胸に煉獄の道のりを駆け抜けた15才の少年。圧倒的な筆致で描く現代の黙示録。

ズバリ,重い。そしてキツい

朝の通勤電車で読むもんじゃないですわ。朝っぱらからずっしり重すぎ

なかなかウマく表現できませんが,なんていうんでしょ,エグいんです。
下巻前半の性描写も私にはきつかった・・・ 読んでて,ちょっと気持ち悪くなりましたもん。
そのくらいじゃなきゃ,伝わらないってこともあるでしょうが。

救いのないお話(最後にちょっぴり救いらしきものはありますが)は私の苦手とするところなんですが,
これは読んで失敗した~という感想は持ちません。
うーんうーんと眉間にシワを寄せ,うなりながらも一気に読んでしまいました。

ただ,どうにも受け止め難い重さがありました

15歳でそんなに過酷でいいわけ?!←いいわけない。

人間のおろかさとか,無力さだとか,いろいろ考えちゃいます。

万人に薦められる作品ではないですね。読むには覚悟がいると思われます。
その覚悟なく,読んでしまった私 ・・・疲れました。


私の個人的評価は (5冊が満点として)デス。